米国土安全保障省、監視ドローンの大規模導入を加速

米国土安全保障省(DHS)は、国境警備の強化を目的に、大型監視ドローン「MQ-9B」の調達を拡大する方針を明らかにした。関税・国境警備局(CBP)は、265億円を超える新規契約で追加機体を導入する計画で、他のDHS機関も同様の高性能ドローンの導入を検討していることが、最近公表された調達記録から判明した。

CBP、MQ-9Bを265億円で追加調達

404 Mediaが入手した調達記録によると、CBPは「One Big Beautiful Bill Act(2024年包括歳出法)」で新たに認められた予算を活用し、MQ-9ドローンの調達と維持管理を進める。契約額は2億6,500万ドル(約265億円)を超える規模で、具体的な機体数は非公開とされている。

CBPはこれまでに約10機のドローンを保有していたが、今回の調達でさらに機体数が増加する見込みだ。CBPの広報担当者は「無人航空システム(UAS)は、米国の国境警備戦略における重要な要素であり、陸海双方の環境で高度な監視・検知能力を提供する」とコメント。また「CBPは既存のUAS艦隊をMQ-9B無人機で拡大しており、艦隊の規模は現在検討中」と述べた。

MQ-9B「SkyGuardian」の性能と運用実態

MQ-9Bは、General Atomics Aeronauticalが製造する高性能ドローンで、愛称は「SkyGuardian」。衛星通信を介して40時間以上の長時間飛行が可能で、悪天候下でも運用できるほか、民間航空空域への安全な統合が可能だ。同社のウェブサイトによると、世界中のあらゆる場所で24時間365日の監視が可能とされる。

現在、CBPが唯一MQ-9ドローンを保有しており、他機関への支援飛行も実施している。404 Mediaの調査では、CBPがICE(移民・関税執行局)の活動を支援するため、2025年6月のロサンゼルスにおける反ICE抗議活動の上空監視にもMQ-9ドローンを投入していたことが判明している。

他のDHS機関もMQ-9導入を検討か

調達記録には「他のDHS機関もMQ-9プログラムの確立を検討しており、CBPの契約枠を活用して追加のMQ-9 UASを調達する可能性がある」との記載がある。具体的にどの機関が対象かは明らかにされていないが、DHS全体での監視能力強化が進む見通しだ。

ドローン監視技術の拡大に対する懸念も

一方で、大規模なドローン監視技術の拡大に対しては、プライバシーや市民の権利侵害を懸念する声も上がっている。特にMQ-9Bのような高性能ドローンが民間空域で運用されることについて、専門家からは「監視の透明性確保が必要」との指摘が出ている。

今後の展望と課題

DHSによるMQ-9Bの導入拡大は、国境警備の強化だけでなく、災害対応や捜索救難活動への活用も期待されている。しかし、調達規模の拡大に伴い、コスト面や運用体制の整備、監視技術の透明性確保が今後の課題となるだろう。

出典: 404 Media