FBI長官のカッシュ・パテルは10月28日、米誌「ザ・アトランティック」に対し、2億5000万ドルの名誉毀損訴訟を提起した。同誌が先週末に掲載した記事で、パテルの過度の飲酒や無断欠勤、意思決定の遅れなどが報じられたことを受けたものだ。

パテル側の弁護士は、19ページにわたる訴状で、同誌の記事が「虚偽の主張や明らかに捏造された allegations(申し立て)に満ちており、パテル長官の名誉を破壊し、職を追われるよう仕向ける意図があった」と主張した。

ザ・アトランティックのサラ・フィッツパトリック記者によると、パテルはワシントンやラスベガスで「アルコールに溺れた夜」を過ごし、会議の延期や時間敏感な業務の遅れを招いていたという。また、オフィスへの出勤が不規則なため、通常冷静なFBI捜査官らが「激怒する」事態も発生していたと報じられた。

さらに、パテルが職場のPCにログインできず、解雇されたと勘違いして慌てた様子や、扉の向こうにいるパテルに連絡が取れず、SWATチームが使用する「侵入用装備」の出動要請が検討されたエピソードも紹介された。

パテルは記事に対し、単純に「印刷しろ。全て虚偽だ。法廷で会おう。小切手帳を持ってこい」とコメントしていた。

訴状では、記事が「党派的な動機を持つ匿名情報源に依拠しており、一次資料が一切ない」と指摘。さらに「悪意ある中傷」と主張した。一方で、この巨額訴訟の提起により、パテルの行動に関する詳細な調査が行われる可能性も浮上している。

これに対し、ザ・アトランティックは声明を発表し、「カッシュ・パテルに関する我々の報道は正当なものであり、この meritless(根拠のない)訴訟に対して、当誌とジャーナリストを徹底的に擁護する」と述べた。