Gnosis DAOの資金管理を巡り、新たな論争が巻き起こっている。「RFV Raiders」と呼ばれる活動家グループが、GNOトークン保有者に対し、Gnosis DAOの資金を活用した一時的な償還プログラムを提案している。
提案「GIP-150」では、「一時的な任意比例償還」を求めており、承認されれば、GNO保有者は総額2億2000万ドル以上に及ぶGnosis DAOの「十分に資金力のある」資金庫から、自分の保有比率に応じた分配を受け取ることが可能となる。この提案は、Gnosis DAOが前資金管理者KPKを解雇してからわずか半年足らずで浮上した。
提案の背景と主張
提案者のWismerhillは、GNOの時価総額がGnosis DAOの資金価値に対して「恒常的かつ拡大するディスカウント」を抱えていると主張。直近のDAO資金2250万ドルのGnosis Ltdへの充当にもかかわらず、このディスカウントは「さらに拡大」しており、GNOへの価値還元が「最小限にとどまっている」としている。
償還価格は、170ドル前後と算出されており、現在の市場価格131ドルを30%上回る水準だ。償還の対象となるのは、130万GNO(Gnosis Ltdが保有するものは除外)。
コミュニティの反応
DeFiアナリストでGNO保有者のIgnasは、「RFVの論理には一理ある」としつつも、「これは純粋な裁定取引であり、倫理的な使命ではない」と指摘。自身は提案に反対票を投じた。
Ethereum FoundationのDeFiコーディネーターであるivangbiも、GNOが「資産によって下支えされている」と認識されていない現状では、保有者に資金庫への「倫理的権利」はないとの見解を示した。
一方で、Gnosisの貢献(Safe、CoW Swap、Gnosis Pay、Gnosis Chainなど)を評価する声も。GnosisのSebastian Bürgelは、「最も尊敬されるビルダーが、いつからヘッジファンド化したのか」と疑問を呈し、JitoのNick Almondは提案を「明確な資金庫のrugプル」と批判した。
AragonのAnthony Leuteneggerはよりバランスの取れた見解を示し、「プログラム的なトークン保有者の権利強化」の重要性を訴えた。同氏は2023年にRFV Raidersの標的となった経験を持つ。
RFV Raidersの過去の実績
RFV Raidersは2023年に「リスクフリーバリューレイダーズ」の異名で注目を集めた。当時はRook、FEI/Tribe、Aragonを標的にし、特にAragonにはDAO資金をグラントプログラムに再編させる圧力をかけた。
最近ではBeefy Financeが同様の圧力に直面。同社のBIFIトークンが純資産価値を下回った際には、「RFVレイダーの脅威」が再び注目を集めた。
投票状況と今後の展開
GIP-150の投票は現在進行中で、5月12日まで実施される。現時点で33万票のうち65%が反対と、提案は苦戦を強いられている。しかし、RFV Raidersの動きはDeFiコミュニティに新たな議論を巻き起こしており、DAOの資金管理やトークン経済の在り方について再考を迫る機会となっている。