ラスベガス(ネバダ州) — 2026年4月19日、WrestleMania 42が開催された。ローマン・レインスがCMパンクを破り、世界ヘビー級選手権を戴冠した瞬間は、確かに見るべき瞬間だった。しかし、このイベント全体を通して感じたのは、かつての「ショー・オブ・ザ・イモータルズ(不滅のショー)」の面影はなく、単なる低予算の興行と化していたという現実だった。
かつてのWrestleManiaは、1年に及ぶドラマや因縁が凝縮された、3時間を超える壮大なショーだった。私の初めての現地観戦となったWrestleMania 13(1997年)では、メインイベントのテイカーvsシド・ビシャスは凡庸だったが、アンダーカードのブレット・ハートvsストーンコールド・スティーブ・オースチンは、血塗れのリングで倒れ伏すオースチンの姿が今も語り継がれる名勝負となった。そんな伝説的な瞬間が、2026年のWrestleMania 42でも繰り返されるのかと思っていたが、現実は厳しかった。
2日間にわたるイベントは計6時間に及んだが、20分を超える試合はわずか2試合。逆に13試合中6試合が10分以内で終了した。これはストーリーを描くには短すぎ、試合のリズムを作るには不十分だ。1年に及ぶ因縁決着が7分で終わるなど、プロレスの醍醐味を感じさせない。それでも、WWEはCM合戦で勝利を収めた。Netflixのハルク・ホーガン伝記ドキュメンタリーやストリートファイター映画、モータルコンバット2など、ブランドとのコラボレーションはスーパーボウル並みの規模だった。しかし、その裏でプロレスとしてのリアリティは完全に失われていた。テーブルが出てくるのも、スリムジムが公式スポンサーだからだ。そんな「ショー」がかつてのWrestleManiaの面影を残すはずもなかった。
第1夜:USOとLAナイトがザ・ビジョン&IShowSpeedを撃破
この試合で最も注目を集めたのは、IShowSpeedが思っていた以上にリングで活躍したことだった。YouTuberとして知られる彼が、プロレスのリングで健闘したシーンは話題となった。しかし、試合自体は短時間で決着し、ストーリー性に乏しかった。かつてのWrestleManiaであれば、このカードはもっと丁寧に構築されていたはずだ。
第2夜:ローマン・レインスが選手権を防衛
第2夜のハイライトは、ローマン・レインスがCMパンクを下し、世界ヘビー級選手権を防衛したことだ。レインスの勝利は、彼のキャリアの頂点の一つとなったが、試合自体は短時間で終わった。観客は歓声を上げたが、かつてのようなドラマや緊張感は感じられなかった。WWEはこの試合を「歴史的な瞬間」と称したが、その歴史的な重みは感じられなかった。
「かつてのWrestleManiaは、プロレスの祭典としての特別感があった。しかし今や、6時間のCMと短時間の試合が目立つだけのイベントになってしまった。かつての栄光を取り戻すことはできるのか。」
WrestleMania 42は、プロレスファンにとっては残念な結果に終わった。かつての「最高のショー」の面影はなく、もはや「Old Yeller(古い犬)」のように、理想化されたWrestleManiaの終焉を感じさせるイベントとなった。今後、WWEはこの流れを変えることができるのか、それともこのまま衰退の一途をたどるのか。ファンの期待は高まるばかりだ。