靴ブランド「アールバーズ」がAIインフラ事業への転換を発表し、投資家の間で一時は大きな注目を集めた。しかし、その実態は乏しく、翌日には株価が急落。AIバブルへの過熱感が改めて浮き彫りとなった。

アールバーズの「AI転換」発表と株価暴騰

米時間11月13日、アールバーズはAIインフラ事業への転換を発表し、同社の新たな事業名を「NewBird AI」と名付けた。この発表を受け、同社の株価は水曜日(11月14日)に一時700%を超える急騰を記録した。しかし、その背景には同社の靴事業の低迷があった。わずか数週間前の10月には、知的財産を含む資産を3,900万ドルで売却していた。かつては40億ドルの時価総額を誇った同社だが、現在はその実態を失いつつあった。

翌日には35%急落、投機的な動きに批判

しかし、この株価上昇は長くは続かなかった。ブルームバーグによると、翌木曜日には株価が35%下落し、投資家たちは「AIチップの調達が不可能な靴会社が、数兆ドル規模の産業を支えられるわけがない」と現実に気づいたという。この一連の動きは、AIバブルへの過熱感を象徴するものとなった。

50 Park InvestmentsのCEO、アダム・サルハン氏はブルームバーグに対し、「これはミーム株のようなもので、感情が先行し、論理や合理性が排除されている」とコメント。さらに「同社にAIの優位性が見当たらないにもかかわらず、市場が株価を押し上げたことは、AIバブルの過熱ぶりを示している」と述べた。また、「このような投機的な動きは、ほとんどの場合、最終的に悲劇に終わる」と警告した。

過去の「バンドワゴン効果」との類似性

今回のアールバーズの動きは、過去にブロックチェーンや暗号資産への転換を発表した企業との類似性が指摘されている。例えば、2017年に「Long Blockchain Corp」への社名変更を発表したロングアイランド・アイスティー社は、株価が一時200%超も上昇したが、最終的に2021年に上場廃止に追い込まれた。米証券取引委員会(SEC)は、同社が実際にブロックチェーン事業に転換していなかったと指摘し、インサイダー取引の容疑で3人を告発した。

Siebert FinancialのCIO、マーク・マレク氏は、「市場はリスクを価格に反映していない。むしろ『AI』という言葉に過剰反応している」と指摘。かつて「ブロックチェーン」という言葉に過剰反応したように、現在は「AI」という言葉に投資家が熱狂していると述べた。

出典: Futurism