イランはパキスタン政府を通じて米国に対し、ホルムズ海峡の再開と戦争終結に関する新たな提案を提示した。核交渉は後回しとし、段階的な合意を目指す内容で、米国の当局者と関係筋が明らかにした。

この提案の背景には、米国との交渉の行き詰まりを打開し、イラン指導部内の核譲歩に関する意見対立を回避する狙いがある。しかし、ホルムズ海峡の再開と米国の封鎖解除が先行すれば、トランプ大統領はイランに対し、核開発の停止やウラン濃縮の中止を求める交渉力を失う可能性がある。

米国の狙いとトランプ大統領の発言

米国にとって、イランのウラン濃縮停止と核開発の放棄は最大の交渉目標だ。トランプ大統領は、海上封鎖を継続し、イランの石油輸出が停止すれば経済的圧力が高まると主張している。

「石油輸出が滞れば、わずか3日で国内の石油パイプラインが崩壊する。再建しても元の50%程度にしかならない。彼らは圧力に屈するだろう」
— ドナルド・トランプ大統領(FOXニュースインタビューより)

交渉の行き詰まりと今後の展開

交渉の行き詰まりは週末に深刻化した。イランのアッバス・アラグチ外相がパキスタンを訪問したが、進展はなかった。トランプ大統領は、特使のイスラマバード訪問を中止し、電話での交渉を提案した。

アラグチ外相はその後、オマーンの首都マスカットでホルムズ海峡に関する協議を行い、再びイスラマバードに戻った。今後はロシアのモスクワを訪問し、ロシア政府との協議が予定されている。

今後の注目点

  • 月曜日には、トランプ大統領が国家安全保障チームとイラン情勢に関する会議を開催。交渉の行き詰まりと今後の戦略を議論する見込み。
  • イラン側は、ホルムズ海峡の再開と経済制裁の解除を優先し、核交渉の延期を提案。米国はこれに対し、軍事的圧力の継続を検討中。
出典: Axios