カリフォルニア州議会は、連邦移民当局が病院に連行した拘束者に対する不適切な扱いに対し、医療機関における拘束者の権利保護を強化する法案を審議している。同法案は、家族や弁護士が患者の所在を把握しやすくすることで、拘束者の医療アクセスと権利を守る狙いだ。
現在、州上院で審議中の2つの法案は、移民執行官による患者の隔離や法的支援の妨害を防ぐことを目的としている。KFF Health Newsの調査によると、拘束者が病院で治療を受ける際、家族や弁護士が患者の所在を把握することが極めて困難な状況に置かれているという。同調査では、一部の病院が「ブラックアウト政策」と呼ばれる手法を用い、患者を偽名で登録したり、病院の患者名簿から名前を削除したり、スタッフに患者の家族への連絡を禁じるケースがあることが明らかになった。
ブラックアウト政策の原則禁止を目指すSB 915
民主党のキャロライン・メニジバル州上院議員(サンフェルナンドバレー)が提出したSB 915は、移民拘束者に対するブラックアウト政策の原則禁止を提案している。患者が家族や他者に自分の居場所や容体を知らせる権利を保障し、医療機関が患者の所在や状態を伝えることを義務付ける。
ブラックアウト政策は、医療提供者が患者に自傷他害の危険性があると判断し、そのリスクが医療記録に文書化された場合にのみ例外的に認められる。また、患者には面会が許可される。同法案は、移民・関税執行局(ICE)の職員が患者の病室に常駐し、医療行為に干渉したり、十分なフォローアップケアが受けられない拘束施設への早期退院を強要する事例にも対応する。
「こうした行為は医療の場にあってはならず、明らかな患者の権利侵害です」
(メニジバル議員)
メニジバル議員の法案では、移民執行官は患者の治療のために病院に連行した場合を除き、患者の病室に立ち入ることができない。執行官が病室に残る場合、医療スタッフは医師の診察や患者との面談中に退去を求める義務を負う。執行官が退去を拒否した場合は、その旨を記録しなければならない。
病院スタッフへの周知を義務付けるSB 1323
民主党のスーザン・ルビオ州上院議員(サン・ガブリエルバレー)が提出したSB 1323は、医療機関に対し、患者が家族に自分の居場所を知らせたいと希望した際に、スタッフや関係者が適切に対応することを義務付ける。また、病院の入口に掲示板を設置し、面会やアクセスに関する情報を明示することを求める。
既に州法では、患者が家族に自分の入院を知らせることに同意した場合、医療機関はそれを可能にすることが定められている。ルビオ議員の法案は、この権利が移民拘束者にも適用されるよう、スタッフへの周知を徹底する狙いだ。
連邦政府の国土安全保障省(移民執行を管轄)は、コメント要請に対し回答していない。両法案は、州上院の保健委員会と司法委員会で党派を超えて可決され、次に歳出委員会で審議される予定だ。