ゲームストップ、eBay買収提案を発表 560億ドル規模の大型M&A

ゲームストップは現地時間6月9日、eBayを560億ドル(約8兆円)で買収する提案を発表した。同社の時価総額は110億ドル(約1.6兆円)に対し、eBayは460億ドル(約6.7兆円)と、規模の差は歴然だ。しかし、ゲームストップは買収資金の詳細について明確な説明を示していない。

CNBCインタビューで浮かび上がった矛盾点

買収発表の翌日にはCNBCのインタビューが行われ、メディア各社から「不可解」「回避的」「奇妙」といった批判が相次いだ。コーエン氏は資金計画について「詳細はウェブサイトに掲載されている」と繰り返すのみで、具体的な数字やスキームを示さなかった。

「半分現金、半分株式で、詳細はウェブサイトに掲載されている」
CNBC記者: 「それでは560億ドルの資金不足分はどうなるのですか?」
コーエン氏: 「I don’t understand your question.」
CNBC記者: 「とても単純な質問です。残りの資金はどこから出すのですか?」
コーエン氏: 「詳細はウェブサイトに掲載されている」

ゲームストップの時価総額110億ドル、現金90億ドル、TD証券からの200億ドルの金融支援表明を合わせても、160億ドルの資金不足が生じる計算だ。コーエン氏は「これからどうなるか見てみよう」と述べるにとどまった。

「eBayで売り物をしてeBayの支払いに」 直後にアカウント停止

インタビュー翌日の6月10日、コーエン氏はX(旧Twitter)に「eBayで売り物をしてeBayの支払いに充てる」と投稿。しかし、その後すぐにアカウントが停止された。現在も同アカウントは復活しており、野球カードや9,000ドルの初代iPhone、その他コレクションが出品されている。各商品の説明文には、コーエン氏がeBayに送った提案書の署名入りコピーが添付されている。

コーエン氏のビジョン:eBayを「アマゾンの競合相手」に

コーエン氏はCNBCインタビューで、eBayの将来性について次のように語った。

「eBayは世界で2番目に大きなeコマースフランチャイズだ。この規模をさらに拡大し、コストを削減し、収益成長を加速させる大きなチャンスがある。ゲームストップのコレクション事業のように、eBayもさらに成長させられる可能性を秘めている。そこに起業家精神を注入することで、より強力なビジネスに変えていく。」

また、ウォールストリートジャーナルのインタビューでは、eBayの買収が「アマゾンに対抗する本物の競合相手になる可能性がある」と述べた。アマゾンの年間売上高は7,170億ドルに対し、ゲームストップは36億ドルに過ぎない。

eBayは買収提案を「慎重に検討中」と回答

eBayは声明を発表し、ゲームストップからの買収提案を受領したことを確認したが、現時点でコメントは控えている。同社は「取締役会が提案を慎重かつ徹底的に検討中」としている。

ゲームストップは既にeBayの株式5%を保有しており、コーエン氏は「ゲームストップのような難しいビジネスでも、効率化と成長戦略で再生させた。eBayも同様のアプローチで、さらに強力な企業に生まれ変われる」と主張している。