米国で、人気トークショー司会者のジミー・キンメル氏がホワイトハウス記者協会晩餐会のパロディでドナルド・トランプ前大統領やその家族を風刺したことがきっかけとなり、解雇要求が相次いでいる。
先週木曜に放送されたコメディコーナーで、キンメル氏はトランプ氏のジェフリー・エプスタインとの関係やメラニア前大統領夫人の容姿、昨年1月に公開されたドキュメンタリー、スティーブン・ミラー氏の白人至上主義などを取り上げた。
これに対し、メラニア前大統領夫人が月曜日にX(旧Twitter)で「キンメル氏の発言は憎悪と暴力を助長し、国を分断する意図がある。ABCは立場を明確にすべきだ」と非難し、解雇を求める声明を発表した。
同日にはトランプ前大統領もTruth Socialで同様の主張を展開。キンメル氏の発言と土曜日の晩餐会における銃撃事件との関連性を示唆し、ABCと傘下のディズニーに対し、再びキンメル氏の解雇を迫った。
メラニア前大統領夫人の投稿:
「キンメル氏の憎悪に満ちた暴力的なレトリックは、アメリカを分断する意図があります。家族へのモノローグはコメディではありません。彼の言葉は腐食性があり、アメリカの政治的病巣を深めるだけです。このような人物が毎晩家庭に入ってくる機会を与えるべきではありません。」
トランプ前大統領の投稿:
「視聴率が低迷しているにもかかわらず、全く面白くないジミー・キンメルが、とんでもない発言をした。その翌日にはホワイトハウス記者協会晩餐会の会場に狂人が侵入しようとした。」
同月曜日のホワイトハウス記者会見では、大統領報道官のカロリーヌ・レヴィット氏が同様の主張を展開し、キンメル氏のジョークと銃撃事件との関連性を強調した。
レヴィット氏の発言:
「私たちアメリカ人は、違いを平和的に解決するために再び団結しなければなりません。
偏った嘘や中傷が、狂った人々を扇動し、暴力行為に走らせるのです。これはメディアだけの問題ではなく、民主党全体の問題です。」
さらに、右派系インフルエンサーのベニー・ジョンソン氏もXで「キンメル氏がトランプ大統領とその支持者に繰り返し死を望む発言をしてきた」と主張したが、具体的な発言内容や根拠は示されていない。
昨年には、右派勢力がABCに対し、チャーリー・カーク暗殺事件をめぐる発言を理由にキンメル氏の降板を求めた過去もある。
一方で、表現の自由やコメディの役割についての議論も再燃。米国憲法修正第1条が保障する言論の自由と、憎悪表現の線引きを巡る議論が活発化している。