ジョージア州最高裁、AIによる虚偽判例引用を厳しく糾弾
ジョージア州最高裁は2025年3月20日、検察官がAIを活用した裁判資料で虚偽の判例を引用したとして、検察官と地区検察庁を厳しく非難する判断を示した。また、検察官に対し弁護士資格の停止処分を科し、被告人の再審請求を却下した判決を取り消して、改めて審理を行うよう命じた。
事件の概要と検察の過ち
被告人ハンナ・ペインは、2025年に殺人と偽装監禁、銃器不法所持の罪で終身刑と13年の刑を言い渡された。ペインは再審請求を行ったが、担当検察官デボラ・レスリーが提出した書類に、実在しない判例や主張と整合しない判例が引用されていた。これらの書類はレスリー検察官が主に作成したもので、判決文にも同様の虚偽引用が含まれていた。
さらに、ペインの控訴審においても、レスリー検察官は再び主張と整合しない判例を引用した。これにより、控訴審の審理が本来の争点から逸れ、虚偽引用の発覚と対応に多大な時間とリソースが費やされた。
AI活用と検証不足の問題点
レスリー検察官は、AIソフトウェアによって生成された判例が、書類や判決文に含まれる前に独立した検証が行われていなかったことを認めた。また、今後同様の事態が発生しないよう、AI利用に関するガイドラインを導入したと述べた。
さらに、レスリー検察官は、ジョージア州最高裁に対し、2026年3月27日付の書簡で謝罪し、AI利用に関する社内ポリシーの見直しと厳格な処分を実施したことを報告した。
最高裁の判断と処分内容
ジョージア州最高裁は、レスリー検察官とクレイトン郡地区検察庁に対し、判例の正確性を確認せずに虚偽の引用を繰り返したとして厳しく非難した。また、レスリー検察官に対し弁護士資格の停止処分を科した。
さらに、被告人の再審請求を却下した判決を取り消し、改めて審理を行うよう命じた。これにより、ペインの事件は再審に回されることとなった。
「当事者および弁護士は、裁判所に提出する書類(意見書など)について、その正確性を慎重に確認する責任がある」
— ジョージア州最高裁判決より
今後の対応とAI利用の課題
今回の事案は、AI技術の活用が進む中で、法的文書における正確性の確保がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにした。ジョージア州最高裁は、AIを活用する際には、必ず人間による厳格な検証が必要であると強調した。
また、地区検察庁は、AI利用に関する社内ポリシーの見直しと厳格な監督体制の構築を進めるとしている。