イギリスのスターアマー首相は12日、閣僚会議で「辞任する意向はない」と述べ、党内からの退陣要求が強まる中、支持基盤の立て直しに奔走している。先週行われた地方選挙での労働党の大敗を受け、党内は混乱が続いている。
閣内からも離脱相次ぐ 最初の辞任者が表明
スターアマー首相は閣僚らに対し、地方選挙の敗北について責任を認めたものの、引き続き指導力を発揮すると強調した。しかし、党内ではすでに80人を超える議員がスターアマーの退陣を求めており、正式なリーダーシップ選挙を発動するために必要な81人の署名に迫っている状況だ。
そんな中、 junior minister( junior 大臣)のミアタ・ファーンブルレ氏が閣内で初めて辞任を表明した。ファーンブルレ氏は「国のために正しい判断を下すべきだ」と述べ、スターアマー首相に退陣のスケジュールを示すよう求めた。同氏は労働党内の左派とされるが、政府が有権者から与えられた変革のビジョンや信念を示せていないと批判した。
政策の迷走や経済不振、判断ミスも批判の的
2024年7月の総選挙で圧勝したスターアマー政権だが、その後の支持率は急落。政策の迷走、経済の停滞、そして首相の判断ミスが指摘されている。特に、 convicted sex offender(性犯罪歴のある)ジェフリー・エプスタインとの関係が指摘されるピーター・マンデルソン氏を駐米大使に任命したことは大きな批判を浴びた。
党内の分裂が浮き彫りに
地方選挙では、移民排斥を掲げる Reform UK や環境重視の「エコ・ポピュリスト」のグリーン党、さらにはスコットランドやウェールズの民族主義政党にも票を奪われ、労働党は右派と左派の両方から圧迫された。この結果は、長年イギリス政界を支配してきた労働党と保守党の二大政党制が崩壊しつつあることを示している。
スターアマー首相は「党のルールに基づくリーダーシップ選挙の発動条件は整っていない」と述べ、引き続き政権運営に当たる姿勢を示した。しかし、金融市場ではイギリス国債の利回りが他国と比べて上昇しており、投資家がイギリス政府の債務リスクを高く見ていることが示されている。
党内の動揺を抑えられるか
スターアマー首相は「国民は我々に政権運営を続けてほしいと期待している」と述べ、政府の不安定化が経済に与える影響を懸念した。しかし、党内の分裂が深まる中、スターアマー首相の今後の対応が注目される。