米国市場向けのトヨタGRカローラが、日本から英国で生産されるようになった。高い需要と限られた生産能力を背景に、トヨタは生産拠点の拡大を余儀なくされ、英国のバーナストン工場でGRカローラの製造を開始した。

米国向けGRカローラの英国生産は、トヨタが2023年に発表した計画よりも早いペースで進行中だ。英国の自動車専門誌「Road Track」によると、英国で組み立てられたGRカローラが既に米国のディーラーに到着し始めているという。これまでGRカローラは全て日本の本社工場(モトマチ工場)で生産されていたが、需要の急増と生産能力の制約により、英国への生産移管が決定された。

バーナストン工場は欧州向けの通常のカローラを製造しており、GRカローラの生産ラインは専用に設けられている。年間最大1万台のGRカローラを生産可能で、米国市場への供給力強化と納期短縮が主な目的だ。GRカローラのVINプレフィックスは、日本製が「J」なのに対し、英国製は「S」で始まることが唯一の違いとなる。

英国で生産されるGRカローラ、品質は日本製と同等か

英国で生産されるGRカローラは、日本製と同様の品質基準を維持するために、特別な製造工程が導入されている。通常のカローラの組み立ては142秒で完了するが、GRカローラは各工程で約21分を要し、20の工程を経て完成する。組み立て精度も徹底しており、通常のカローラの許容誤差が0.75度であるのに対し、GRカローラは0.25度、場合によっては0.05度という高い精度が求められる。

サスペンションジオメトリの設定には特殊な治具が使用され、ホイールナットのトルクチェックも手動で行われる。トヨタは英国製と日本製のGRカローラに品質の違いはないと主張しているが、納期の短縮と供給の安定化が主な狙いだ。

GRカローラの需要と今後の展望

GRカローラは2022年の発売以来、高い人気を維持しており、長い納期に悩むファンも少なくない。英国工場の稼働により、年間最大1万台の生産が可能となり、米国市場への供給が大幅に改善される見込みだ。英国でGRカローラを製造する一方で、英国市場ではGRカローラを購入できないという皮肉な状況も生じている。

トヨタは今後もGRブランドの拡充を進める方針で、GRカローラの生産移管はその一環と位置付けられる。米国市場におけるGRカローラの供給安定化が、さらなる人気拡大につながることが期待される。

出典: CarScoops