米国の歴史的ランドマークであるアイゼンハワー・エグゼクティブ・オフィスビル(旧名称:旧陸軍省ビル)の外壁を白塗りにするトランプ前大統領の計画が、連邦機関による審議の対象となっている。同建物はホワイトハウスのすぐ隣に位置し、19世紀後半に建設された歴史的建造物だ。
同計画は、国家首都計画委員会が12月14日に開催する会合で審議される見通し。トランプ氏は2023年、灰色の外壁を「本当に悪い色」と批判し、白塗りを提案していた。政府側は今年4月、米国美術委員会に対し、外壁の汚れや劣化が進行しているため「全体を白く塗る」方針を示した。代替案として、基部の花崗岩部分は塗らずに他を白く塗る案も提示したが、専門家からは「塗装が石材の劣化を加速させる」との懸念が示されている。
保存団体や建築史家らは、花崗岩は本来塗装に適さない素材であり、塗料が湿気を閉じ込めて石材を傷めるほか、根本的な問題解決にもならないと主張。米国建築史家協会は先週、委員会の幹部に宛てた書簡で「この計画は米国の重要な歴史遺産を永久に損なう」と反対を表明した。
公聴会に提出された市民の意見書も、圧倒的に反対が多く、税金の無駄遣いだと批判する声が目立った。また、ランドスケープや照明の改善など、代替案を求める意見も多く寄せられた。
委員会のスタッフ報告書は、外壁の清掃を支持する一方で、塗装案については「さらなる情報が必要」と指摘。具体的には、使用する塗料の種類や、同様の事例における実績、他の改修方法(清掃や照明)との比較検討を求めている。
同建物は国家歴史登録財に指定されており、米国の歴史的価値が高い建造物の一つだ。現在、同計画に対する訴訟も検討されている。