米国で、トランプ前大統領の長年の敵対者であるジェームズ・コミー元FBI長官に対する司法省の起訴が、民主党にとって新たな政治的武器となりつつある。

同起訴の根拠とされるのは、コミー氏が昨春に投稿した海の貝殻を並べて「86 47」と表現した画像だ。しかし、この表現が大統領暗殺を示唆する「真の脅迫」に該当するかは極めて疑わしい。実際、司法省のトッド・ブランシェ次官はNBCの取材で、この表現が一般的に使用されていることを認めながらも、起訴は「事実と法律に基づく」と主張した。

専門家らは、この起訴が法的根拠に乏しいと指摘。連邦法では「合理的な人物が大統領の生命に対する脅迫と理解する」ことと、コミー氏自身の意図が必要とされるが、現状ではそのいずれも立証が困難とみられる。

政治的起訴の是非が問われる

民主党議員らは、トランプ氏が選挙後に「敵対者の起訴」を公然と要求してきた事実を重視。民主党は今後、司法省改革を通じて、政治的動機に基づく起訴を防ぐ法整備を検討する方針だ。

カリフォルニア州選出の民主党アダム・シフ上院議員は、「トランプ氏によるコミー氏や他の敵対者への起訴を阻止する憲法に適った方法を見つけなければならない」と述べ、法整備の必要性を強調した。

ブランシェ次官の発言が波紋

ブランシェ次官はNBCの取材で、コミー氏の投稿が「起訴の一部に過ぎない」と主張したが、その一方で「86 47」という表現が一般的に使用されていることも認めた。これは、同表現が大統領暗殺を示唆するものではないことを示唆しており、起訴の正当性に疑問を投げかけている。

民主党関係者は、こうした政治的起訴が将来の権威主義的な大統領による悪用を防ぐための司法改革の必要性を訴えている。