米国の政治的暴力がかつてないほど深刻化する中、トランプ前大統領は再びメディアとの対立を鮮明にした。ホワイトハウス記者協会の晩餐会で銃撃事件が発生した翌日のインタビューで、トランプ氏は「私は心配していない。人生を理解している。この世界は狂っている」と語った。

暗殺未遂から24時間で再燃した敵対関係

トランプ氏は、2024年4月27日に開催されたホワイトハウス記者協会晩餐会で銃撃事件が発生。会場にいた記者や関係者が負傷する事態となった。翌28日、CBSの「60 Minutes」に出演したトランプ氏は、この事件について「200年、500年にわたり政治的暴力は存在してきた。今が特に深刻だとは思わない」と述べた。

さらに、民主党の「憎悪発言」が米国にとってより危険だと主張し、「民主党の憎悪発言は非常に危険だ。米国にとって大きな脅威だ」と語った。

一時的な和解から再び攻撃的な発言へ

事件直後、トランプ氏はホワイトハウスのブリーフィングルームで記者団と談笑し、「この国全体が一つになった」と発言するなど、一時的に和解ムードが見られた。しかし、その和解は長くは続かなかった。

「60 Minutes」のノラ・オドネル記者が、容疑者のマニフェストの一節を読み上げると、トランプ氏は激高。「私はレイプ犯ではない。誰もレイプしていない。私は児童虐待者でもない」と反論し、民主党とジェフリー・エプスタインとの関係を非難した。

さらに、オドネル記者に対し「そのような病的な文章を読むべきではない。恥ずかしい」と発言。記者の行為を「卑劣だ」と強く非難した。

メディアとの敵対関係が続く背景

トランプ氏は第二期政権において、メディアとの戦いを続けてきた。パラマウント傘下の「60 Minutes」を含む主要メディアを相手取り数十億ドル規模の訴訟を起こしている。また、AP通信をオーバルオフィスから締め出し、ホワイトハウス記者協会の記者プール選定権を剥奪。個々の記者を名指しで攻撃するなど、メディアとの関係は悪化の一途をたどっている。

特にエプスタイン問題に関しては、ウォールストリートジャーナルに対し100億ドルの損害賠償請求訴訟を起こすなど、攻撃的な姿勢を崩していない。

「政治的暴力は歴史的に存在してきた。今が特に深刻だとは思わない」
— ドナルド・トランプ前大統領
出典: Axios