米連邦準備制度理事会(Fed)の政策発表を目前に控え、ビットコイン(BTC)は再び試練の時を迎えている。4月29日のFed声明発表前、BTCは一時76,500ドル台まで下落したが、その後77,800ドル台まで回復した。しかし、この価格帯こそが、強力なホルダー層の売却リスクが高まる「分岐点」とされている。

Fedは2日間の会合を開始し、午後2時(ET)に政策声明を発表。その後、ジェローム・パウエル議長による記者会見が午後2時30分から行われる。ビットコインはこれまでの反発で8万ドル台に迫ったが、この価格帯は単なる数字ではなく、投資家の意思決定を左右する「行動の閾値」と位置付けられている。

8万ドル台が持つ意味:保有者の「損益分岐点」

8万ドル台が注目を集める理由は、単なる価格目標ではない。Bitwiseの最新レポートによると、短期保有者のコストベースが8万ドル近辺に集中しており、True Market Mean(実勢平均価格)は79,000ドル、平均的なビットコインETF流入コストも同水準にある。これは、数ヶ月にわたるボラティリティを耐えてきた投資家層が、ようやく「損益ゼロ」で売却できる価格帯に到達したことを示す。

市場が回復し損益分岐点に達すると、保有者は二つの選択肢に直面する。一つは、回復が自身の投資判断の正しさを裏付けるものと捉え、長期保有を継続する道。もう一つは、不確実なマクロ環境を理由に、待ち望んでいた「出口」として売却に踏み切る道だ。

機関投資家の買いが支える構造的な需給

過去2週間で最も重要な構造変化は、この反発を支える需要の構成だ。Bitwiseによると、世界のETP(上場投資信託)や企業 treasury プログラムが過去30日間で約92,900 BTCを積み上げ、年初来の売り圧力が緩和された。また、大口保有者(whale)のウォレット残高が増加し、長期的な信念を持つ参加者が増加傾向にある。

米国のスポットビットコインETFの総純資産額は約1,010億ドルに達し、ビットコイン時価総額の約6.57%を占める。これは、6ヶ月前と比較して機関投資家の所有比率が大幅に向上したことを示す。

Fed声明が試す「売るか、待つか」の岐路

4月24日までの9日間連続でスポットビットコインETFに純流入が続き、総額21億2,000万ドルが流入した。この機関投資家の買い意欲は依然として強いが、Fed声明は「ニュースに売る」という歴史的な行動パターンを引き起こす可能性がある。たとえ政策が市場予想通りであっても、マクロ不確実性が高ければ、ボラティリティの高い資産へのエクスポージャーを維持する判断は難しくなる。

ビットコインは今、8万ドル台という「損益分岐点」で、強力なホルダー層の売却リスクと向き合うことになる。Fed声明がその岐路をどちらに導くのか、市場の注目は高まっている。