米国で2025年4月18日(金)より劇場公開されるマイケル・ジャクソンの伝記映画『マイケル』が、公開前から大きな注目を集めている。総製作費2億ドルを投じたスター俳優陣の起用と話題性とは裏腹に、批評家からの評価は厳しく、現在のRotten Tomatoesスコアは39%にとどまる。しかし、映画そのものよりも波乱万丈だったのが、製作現場の舞台裏だ。
マイケル・ジャクソンの生涯を描く本作は、ジャクソン5の結成から1988年の「BAD」ツアーまでを追う内容となっている。しかし、その製作過程では、法廷闘争や大規模な再撮影、そして第3幕の廃止など、数々の困難が待ち受けていた。
遺産管理団体の意向が反映された脚本
マイケル・ジャクソンの遺産管理団体が製作に深く関与した本作では、脚本家ジョン・ローガンによる物語が、ジャクソンの家族によってコントロールされた。その結果、彼の栄光と数々の試練を描くストーリーが構築された。その中には、2005年に行われた性的虐待容疑の裁判と無罪判決も含まれている。
「メディアの皆さん、マイケル・ジャクソンの真実の姿をコントロールする権利はもうありません。観客の皆さんがこの映画を見て、自分自身で判断してください」と、マイケルの甥であるタジ・ジャクソン氏はX(旧Twitter)上で発言した。
法的問題が引き起こした大規模な再撮影
しかし、製作陣が直面した最大の障害の一つが、法的問題だった。2005年の裁判で和解した原告の一人との合意に含まれていた条項により、その原告を映画に登場させることが法的に不可能であることが判明した。これにより、製作陣は第3幕を全面的に廃止し、1500万ドル(約22億円)を投じた大規模な再撮影を余儀なくされた。
「マイケル」のプロデューサーの一人によれば、「彼らは可能な限り包括的なストーリーを伝えようとした点は評価すべきだ」と語る。また、ある大手エージェントは、マイケル・ジャクソンの描写の是非についての議論を一蹴し、「現時点で、これは史上最大のミュージカル伝記映画になると見込まれている」と述べた。
「ボヘミアン・ラプソディ」の成功に続く挑戦
プロデューサーのグラハム・キング氏は2019年にマイケル・ジャクソンの伝記映画の権利を獲得した。キング氏は直近で、英国のロックバンドクイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』を手掛け、同作はアカデミー賞5部門にノミネートされ、4冠(主演男優賞を含む)を達成。世界興行収入9億ドル超の大ヒットを記録した。同作はPG-13指定の家族向けエンターテインメントとして、複雑な実生活の描写を避けつつも観客を魅了した。
キング氏にとって「マイケル」は、まさにその成功体験を再現する絶好の機会となった。しかし、マイケル・ジャクソンという伝説的アーティストの生涯を描くことは、単なる興行的成功を超えた、より重大な責任を伴うプロジェクトでもあった。
マイケル・ジャクソンの遺産管理団体は、2009年の彼の死去以降、35億ドル以上の収益を上げている。さらに、2024年にはソニー・ミュージックが、彼の楽曲とマスターテープのカタログ権の半分を7億5000万ドルで取得し、総額15億ドルと評価された。このような背景からも、マイケル・ジャクソンの伝記映画には、単なる興行収入を超えた「ブランド価値」が求められていたのだ。
観客の判断に委ねられたマイケルの真実
「マイケル」は、マイケル・ジャクソンの生涯を描くにあたり、彼の栄光と試練、そして法廷闘争のエピソードを含むストーリーを構築した。しかし、その製作過程では、法的制約や再撮影など、数々の困難が待ち受けていた。それでもなお、マイケルの甥であるタジ・ジャクソン氏は「観客がこの映画を見て、自分自身でマイケルの真実を判断してほしい」と語っている。
批評家からの評価は厳しいものの、公開初週の興行収入は大規模なものになると予想されている。プロデューサーの一人によれば、「彼らは可能な限り包括的なストーリーを伝えようとした点は評価すべきだ」と語る。また、ある大手エージェントは「現時点で、これは史上最大のミュージカル伝記映画になると見込まれている」と述べた。