リー・クロニン版「ザ・マミー」はミイラ映画か?批評家が疑問視

米A.V. Clubの批評家、ジェイコブ・オラーとモニカ・カスティーヨが、リー・クロニン監督による新作ホラー映画「ザ・マミー」について議論を交わした。同作は、タイトルとは裏腹に「ミイラ」というジャンルに収まらない内容で、批評家たちからも違和感が指摘されている。

「ミイラ」というタイトルの矛盾点

ジェイコブ・オラーはまず、リー・クロニン監督の知名度の低さと、同作がミイラ映画と呼べるのかという疑問を投げかける。クロニン監督の代表作といえば「 Evil Dead Rise 」(2023年)だが、同作はサム・ライミ監督のスタイルを彷彿とさせるホラー要素を含むものの、実質的には「133分という長尺(なぜ2時間超えなのか?)」の大半が、ブラムハウス制作の「悪霊 possession もの」の拡大版のように感じられたという。

「エクソシスト」の焼き直しに近い内容

モニカ・カスティーヨは、同作を「エクソシスト」をミイラの衣装に包んだような作品と評する。具体的には、ミイラが少女の体を乗っ取るという展開や、古代文明に対する現代の祈りの効力など、ストーリーに一貫性がなく、観客に多くの疑問を残す内容だったと指摘。さらに、映画の随所に「 Evil Dead Rise 」のオマージュが見られる一方で、そのビジュアル面はジョン・ブアマン監督の「エクソシスト2」に近いと評価した。

エジプト文化の扱いに対する違和感

オラーは、同作のエジプト文化の描写にも疑問を呈する。現代エジプトを舞台に据えたオープニングとは裏腹に、物語は「エクソシスト」的な展開へとシフト。エジプト人女性キャラクターが、わずか90分で世界を股にかけるという非現実的な設定も、ストーリーの整合性を損なう要因となった。さらに、1932年のユニバーサル映画「ミイラ」のボリス・カーロフ版と比較し、同作のCGI処理の粗さを批判。少女がミイラ化するシーンでは、CGIが「 blob 」のように見え、視覚的なインパクトに欠けていたと指摘した。

批評家たちの総評

二人は、リー・クロニン版「ザ・マミー」がミイラ映画と呼ぶには程遠い内容であり、むしろ「エクソシスト」の焼き直しに近いと評価。エジプトの伝統や文化的背景が軽視されたストーリー展開は、観客に違和感を与えた。また、CGIの粗さやストーリーの一貫性のなさも、同作の評価を下げる要因となった。

出典: AV Club