米国各地で警察によるドローンの活用が急速に広がっている。これまでの報道では、迷子のペット探しや窃盗犯逮捕など、主に犯罪捜査や市民の安全確保を目的とした事例が多く紹介されてきた。しかし、カリフォルニア州ロサンゼルスでは、平和的な反トランプデモの監視にドローンが頻繁に使用されていることが明らかになった。
調査報道メディア「インターセプト」の新たな報道によると、2024年1月31日に行われた「ICE Out」デモでは、ロサンゼルス市警察(LAPD)が少なくとも31回のドローン飛行を実施した。午後9時30分に解散命令が出された後、少なくとも50人のデモ参加者が逮捕された。
さらに、3月28日に行われた「No Kings」デモ(ドナルド・トランプ抗議デモ)では、LAPDが32回の監視ドローンを飛行させた。警察が解散命令を出した午後5時30分より前の午後2時から、デモが終了する午後9時までドローンによる監視が続けられた。最終的に75人が逮捕された。
警察の主張と矛盾点
インターセプトがLAPDにコメントを求めたところ、同部隊のマシュー・ジェイコブス中尉は「犯罪が発生していない限り、ドローンによる記録は行っていない」と述べた。また、デモに対するドローンの使用について「指揮官の要請に基づき、特定の人物を捜索するためで、表現の自由に関わる活動を録画することはない」と説明した。その一方で、ジェイコブス中尉は「時にはデモの規模を把握するためにドローンを飛行させることもある」とも発言している。
米国全土で拡大する警察ドローン
米国では現在、1,500以上の警察機関が何らかの形でドローンを導入しており、その運用はますます大胆さを増している。一方で、プライバシー保護策は遅れており、大規模な空中監視が日常化する懸念が高まっている。
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