司法省、パウエル議長の捜査を終了

米司法省は5月10日、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対する刑事捜査を終了したと発表した。これにより、同議長の後任として指名されたケビン・ウォーシュ氏の上院承認が大きく前進した。

捜査の経緯と背景

捜査は、FRBワシントン本部の25億ドル規模の改修工事における経費超過をめぐる疑惑が発端だった。しかし、3月に連邦判事のジェームズ・ボアズバーグ氏が、検察側が「実質的に犯罪の証拠はない」と認めたことを受け、捜査差し止めを命じていた。パウエル議長は今年1月の発言で、この捜査を「政治的な武器」と批判し、「公共の利益に基づく金利政策を実施した結果だ」と述べた。

ウォーシュ氏の承認見通し

共和党のトム・ティリス上院議員は、捜査が終了するまでウォーシュ氏の承認を阻止すると表明していたが、捜査終了により承認プロセスが加速する見通しだ。パウエル議長の任期は5月15日に切れるため、早期の承認が期待される。

ウォーシュ氏(56)は元FRB理事でスタンフォード大学教授。14日の上院銀行委員会公聴会で「金利決定に関しホワイトハウスからの圧力は一切受けていない」と証言した。民主党のエリザベス・ウォーレン議員は「トランプの操り人形」と批判したが、共和党はその資質を高く評価している。

ビットコイン市場への影響

今年のビットコイン価格は7万ドルから9万2000ドルのレンジで推移しており、FRBの金利政策が注目されている。歴史的に低金利はリスク資産への資金流入を促すため、ウォーシュ氏のタカ派的な姿勢が実現すれば、ビットコインの上昇圧力は弱まる可能性がある。

ウォーシュ氏はパンデミック後のFRBの金利政策を「過去40~50年で最大の政策ミス」と批判しており、インフレ抑制に重点を置く見通し。5月15日に議長に就任すれば、金融引き締め姿勢を維持する可能性が高い。

金融政策の方向性

パウエル議長の任期終了とウォーシュ氏の就任は、FRBの金融政策の方向性を左右する重要な転換点となる。ウォーシュ氏のタカ派的な発言は、市場参加者にとって注目すべきシグナルだ。今後の金利政策の動向が、ビットコインをはじめとする暗号資産市場に与える影響が懸念される。