学生ローンの負債が若者の人生設計に与える深刻な影響
米国の学生ローン総額は1兆ドルを超え、多くの若者が住宅購入や結婚、退職貯蓄などの重要なライフイベントを先送りせざるを得ない状況に追い込まれている。GallupとLumina Foundationが発表した最新の調査によると、Z世代の66%がローン返済のために少なくとも1つの節目を延期しており、その影響は年齢層が上がるにつれて減少する傾向にある。
退職貯蓄や再教育の先延ばしが最も多い
調査によれば、退職貯蓄や再教育の開始が最も多く先延ばしされているライフイベントだ。また、住宅購入や車の購入、結婚といった節目にもローンが大きな障害となっている。Z世代の31%が車の購入を、33%が住宅購入をローンのせいで断念または延期しており、新たな住宅購入者にとっては既存の住宅所有者よりも住居費の負担が重くのしかかっている。
世代間で異なる影響の度合い
Z世代が最もローンの影響を受けている一方で、年齢層が上がるにつれてその影響は小さくなる。ベビーブーム世代では32%がローンのせいで節目を延期したと回答しており、ミレニアル世代やX世代と比較しても依然として大きな負担となっている。
高等教育の価値は認めるも、コストの壁は依然高い
GallupとLumina Foundationによる高等教育の現実に関する別の調査では、米国人が高等教育の価値を依然として認めている一方で、そのコストが学位取得への大きな障壁となっていることが明らかになった。現在大学や専門学校に在籍している人の10%が「誰もが質の高い手頃な高等教育を受けられる」と考えているのに対し、高校卒業後に高等教育に進まなかった人のわずか6%しかそう考えていない。
「米国人は高等教育への信頼を失っていない。しかし、その信頼だけでは現実と理想のギャップを埋めることはできない」と調査報告書は指摘している。
調査の概要
- Gallup Alumni Survey:2024年11月10日から12月1日にかけて実施。准学士号取得者1,266人、学士号取得者4,667人を対象。標本誤差は±1.4ポイント。
- Lumina-Gallup調査:2025年10月2日から31日にかけて実施。高等教育機関に現在在籍している学生6,010人、過去に在籍したが未修了の成人5,052人、高等教育に進まなかった成人3,000人を対象。