米オハイオ州南部地区連邦地裁のマシュー・マクファーランド判事は先日、マイアミ大学のDEI関連部署閉鎖をめぐる訴訟で、原告の憲法修正第1条の主張を退ける判決を下した。
原告のダリル・ライス教授は同大学の経営学部で准教授(終身在職権保持)を務め、10年以上にわたり「多様性と異文化経営」の講義を担当。また、DEIプログラムへの参加や、大学内のDEI委員会活動を通じて、教育・研究に加えて「奉仕活動」としての貢献を行ってきた。
2025年4月、同大学はDEI関連の以下の部署・活動を段階的に廃止した:
- 変革と包括的卓越性事務所
- 経営学部DEIサービス委員会
- 学生多様性・包摂センター
- 地域センターのDEI部門
- 経営学科DEIサービス委員会
- 全学横断型DEI会議
- 変革と包括的卓越性事務所のニュースレター
- 包括的卓越性フェローシッププログラム
- DEIマスターマインドプログラム
- 多様性・包摂ネットワーキングイベント
- DEI専門能力開発デー
これらの活動は、大学の「奉仕活動」要件を満たすためにライス教授が利用していたもので、同大学のテニュアトラックガイドラインでは「大学やキャンパスのミッションに貢献する活動」と定義されている。
法的根拠となった州法「S.B. 1」
同大学は廃止の理由として、オハイオ州の「アドバンス・オハイオ高等教育法(S.B. 1)」を挙げた。同法は州立大学に対し、以下を禁止する方針を義務付けている:
- 多様性・公平性・包摂に関するオリエンテーションや研修コース(例外を除く)
- 既存のDEI事務所・部門の存続
- 新たなDEI事務所・部門の設立
ただし、同法は「教室内の指導、議論、討論」については制限せず、教員が学生の知的多様性を尊重する限り、憲法上の問題はないと明記されている。
判決の要点:憲法違反は認められず
判決文では、本件が「政府による特定の発言の強制」や「大学による法の差し止め請求」、「学生による憲法違反主張」、「教授の発言制限」などとは全く異なることを強調。ライス教授の主張する「表現の自由の侵害」は成立しないと結論付けた。
「本件は、教授が教室やキャンパス内で発言を抑圧されたという事例ではない。大学が特定のイデオロギーを強制したわけでもない」と判事は述べた。
出典:
Reason