米航空宇宙局(NASA)は12日、欧州宇宙機関(ESA)の火星探査ローバー「ロザリンド・フランクリン」を、スペースXの大型ロケット「ファルコンヘビー」で2028年後半に打ち上げる計画を発表した。打ち上げはフロリダ州のケネディ宇宙センターから実施される予定だ。

NASAが欧州の主力火星探査ミッションの打ち上げロケットを選定するという異例の事態は、宇宙生命の探索、政治的対立、そしてロシアによるウクライナ侵攻といった複雑な要因が絡み合った結果だ。

25年にわたる計画の変遷

欧州の「ロザリンド・フランクリン」ミッションの歴史は、1997年にNASAが火星探査車を初めて着陸させてから間もなく始まった。ESAは自国の移動型ロボットを火星に送る計画を立案し、その一環として「オーロラ計画」を発足させた。当初は2009年の打ち上げを目指していたが、当時ロシアはソユーズロケットの提供を約束していた。

ロシアとの協力関係の崩壊

しかし、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ESAはロシアとの宇宙協力関係を全面的に停止した。これにより、ロシアが担っていたソユーズロケットによる打ち上げ計画は頓挫。代替手段の模索が急務となった。

NASAは欧州の火星探査ミッションを支援する形で、スペースXのファルコンヘビーを打ち上げ手段として選定。この決定は、欧州の火星探査計画の継続にとって重要な転機となった。

火星生命探索への期待

「ロザリンド・フランクリン」は、火星における過去の生命存在の痕跡を探ることを主な目的としている。高性能のドリルと分析機器を搭載しており、地下数メートルからサンプルを採取し、生命の兆候を調査する予定だ。

NASAの支援により、欧州の火星探査計画は再び前進する見通しとなった。打ち上げは2028年後半に予定されており、火星到着は2030年代初頭となる見込みだ。

「このミッションは、火星における生命の可能性を解明する重要な一歩となる。NASAとESAの協力は、宇宙探査の未来を切り拓くものだ」
— NASA幹部