米国のインフレ率が3年ぶりの高水準に達した。商務省が発表した最新のデータによると、消費者物価指数(CPI)は前年比で3.5%上昇し、2021年10月以来の高水準を記録した。この上昇は主に、イラン情勢を背景としたガソリン価格の高騰によるものだ。

食料品とエネルギーを除いたコアインフレ率も3.2%上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を大幅に上回った。米労働者の平均賃金は前月比0.6%増にとどまり、物価上昇の影響で実質的な所得は目減りしている。

米国民が受け取る税還付金も、ガソリンや食料品の価格上昇により、その効果が薄れている。FRBのジェローム・パウエル議長は14日、イラン情勢を理由に金利引き下げの可能性は当面ないと述べた。昨年はFRBが3回の利下げを実施したが、通常、中央銀行はインフレ抑制のために金利据え置きまたは引き上げを選択する。

政治的影響も深刻化

物価高騰は与党にとっても大きな懸念材料だ。トランプ前大統領と共和党は2024年の選挙戦で「物価の引き下げ」と「インフレ抑制」を公約として掲げていた。しかし、今回のインフレ上昇は、イラン情勢という「選択された戦争」と、トランプ氏の恣意的な関税政策によって、バイデン前政権の経済成果が帳消しになったことが要因とされる。

多くの有権者が物価高騰の実態を認識し始める中、共和党の選挙戦略は「有権者の選別」に頼らざるを得ない状況に追い込まれている。

「インフレは家計の負担を増大させ、経済成長を阻害する要因となる。FRBは慎重な金融政策を継続する必要がある」
——経済専門家のコメント