アジア系アメリカ人の不安感、他人種を上回る

米国でアジア系アメリカ人の不安感が他の人種グループを上回っていることが、新たな調査で明らかになった。特に移民政策や中国との関係悪化、市民権問題をめぐる議論が、アジア系アメリカ人コミュニティに対する社会的な認識を変化させている。

調査の概要と主な結果

STAATUS Index(Social Tracking of Asian Americans in the U.S.)による最新の調査によると、アジア系アメリカ人の44%が現在の生活に不安を感じていると回答した。これは他の人種グループと比較して最も高い数値であり、希望を感じていると回答した40%を上回っている。

また、アジア系アメリカ人の66%がDEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムを支持しており、これは全米平均の48%を大きく上回る結果となった。

社会的な認識と実態のギャップ

アジア系アメリカ人は一般的に社会的成功を収めていると評価される一方で、実際には不安や差別、政策への懸念を抱えている。連邦政府の移民、貿易、ビザ政策は、アジア系アメリカ人と米国社会全体の両方に、このコミュニティの位置づけに対する理解を形成する上でますます重要な役割を果たしている。

一般市民の認識の変化

調査では、一般市民のアジア系アメリカ人に対する認識が硬化している実態も浮き彫りになった。

  • 米国成人の5人に1人(21%)が、中国系アメリカ人が社会に脅威を与えていると考えている。
  • 4人に1人(24%)が、アジア系アメリカ人が米国よりも他国への忠誠心を持っていると信じており、半数が確信を持てないと回答している。
  • 約40%が、有名なアジア系アメリカ人を1人も挙げられないという結果になった。例えば、ポップアーティストのブルーノ・マーズや元副大統領のカマラ・ハリスなどが該当する。

反アジア系ヘイト犯罪の現状

反アジア系ヘイト犯罪は2025年に減少したものの、パンデミック前の水準を大幅に上回っている。FBIの暫定データによると、2024年から2025年にかけて反アジア系事件は17%減少したが、2015年と比較すると約200%増加しており、依然として深刻な状況が続いている。

「これは極端な事件から、よりシステミックな圧力への変化だ」
ノーマン・チェン(The Asian American Foundation CEO)

チェン氏は、反アジア系暴力が減少しても、移民政策や中国との緊張関係、市民権に関する議論が不安を引き起こし続けていると指摘する。

また、TAAFのデータ責任者であるスルティ・チャンドラセカラン氏は、米国人は特に学生ビザの問題などに関して、より多くの情報を与えられれば説得可能であるとの見方を示した。これは希望の兆しだと同氏は述べている。

調査の背景と方法論

STAATUS Index 2026は、The Asian American Foundation(TAAF)とシカゴ大学NORCによって実施された。2026年1月16日から2月10日にかけて、18歳以上の米国在住者1,500人を対象に行われた全国調査であり、NORCのAmeriSpeak®パネルとAmplify AAPIパネルから抽出された回答者が含まれている。

出典: Axios