米軍、GPS衛星管制システム「OCX」を中止
米国防総省は2021年4月19日、GPS衛星の次世代管制システム「Global Positioning System Next-Generation Operational Control System(OCX)」を中止すると発表した。同システムは16年にわたり、数十億ドルを投じて開発が進められてきたが、技術的な問題が解決せず、実用化が不可能と判断された。
16年の歳月と数十億ドルの投資が無駄に
OCXは、最新型GPS衛星「GPS III」から送信される新たな信号を処理するソフトウェアや、2つの主管制局、世界各地の地上モニタリング局の改修を含む大規模なプロジェクトだった。しかし、開発過程で技術的な課題が次々と発生し、スケジュールの遅延やコストの増加が続いた。
マイケル・ダフィー国防総省防衛調達担当次官は4月16日、OCXプログラムの終了を発表。米宇宙軍の報道資料で明らかにした。
GPS III衛星との互換性が最大の課題
OCXは、2018年から打ち上げが始まったGPS III衛星との互換性を確保するために設計された。GPS III衛星は、従来のGPS衛星よりも高精度な測位機能を持ち、軍事用途でも重要な役割を果たすことが期待されていた。しかし、OCXの開発が遅れる中、GPS III衛星の運用開始が先行したため、システム間の連携が取れない状態が続いていた。
代替システムの検討へ
米軍はOCXに代わる新たな管制システムの導入を検討するとしている。具体的な代替案については明らかにされていないが、既存のシステムを活用した段階的な移行が模索される見通しだ。
米宇宙軍の報道官は「OCXプログラムの終了は残念だが、米軍のGPS能力を維持するためには、より効率的なソリューションが必要だ」とコメントした。
OCXプログラムの主な経緯
- 2006年:OCXプログラムの開始。当初は2016年の運用開始を目指していた。
- 2018年:GPS III衛星の初号機打ち上げ。OCXの開発遅延により、衛星の運用開始が先行。
- 2020年:コストが当初見積もりの3倍以上に膨れ上がる見通しが報告される。
- 2021年4月:マイケル・ダフィー国防総省防衛調達担当次官がOCXプログラムの中止を発表。