英国政府は、国連の主要気候基金「グリーン・クライメイト・ファンド(GCF)」への拠出額を半減する方針を発表した。これにより、英国はGCFの最大拠出国から転落した。同国は2024年から2027年にかけての拠出額を8億1500万ポンド(約11億ドル)に削減する見込みで、これは前回の保守党政権が掲げた16億2000万ポンド(約21億6000万ドル)の半分に相当する。

前回の拠出額は、米国が2025年に40億ドルの拠出を取り消した後、英国がGCFの最大拠出国となった歴史的なものだった。しかし今回の削減により、英国の拠出額はドイツ、フランス、日本を下回る見通しとなった。GCFの拠出額上位10カ国の推移を示すグラフによると、英国の拠出額は2019年の第1回補充ラウンドと比較して45%減少する見込みで、これは米国を除く主要拠出国の中で最大の削減率となる。

GCFは、国連が運営する最大の気候基金で、途上国の気候変動対策を支援するための資金を提供している。現在、354のプロジェクトを通じて200億ドル以上の資金を運用しており、先進国はパリ協定に基づき、気候資金の提供が義務付けられている。しかし、GCFへの拠出額の増加は徐々に進んでおり、英国の今回の削減は、基金のプロジェクト遂行に「重大な影響を与える」とGCFのマファルダ・ドゥアルテ事務局長は指摘している。

英国政府は、今回の削減の理由について、安全保障上の脅威への対応を優先するためとしている。また、英国は今後3年間で気候プロジェクトに約60億ポンドを投じる計画を発表したが、インフレや会計処理の変更を考慮すると、年間の気候資金は実質的に半減する可能性があるとの分析もある。

専門家からの懸念

専門家らは、英国の今回の決定が他の先進国にも影響を与え、気候資金の拡大がさらに遅れる可能性を懸念している。GCFは、途上国の気候変動対策を支援するための重要な資金源であり、その拠出額の減少は、世界的な気候目標の達成に向けた取り組みに悪影響を及ぼす恐れがある。

「英国の決定は、GCFのプロジェクト遂行に重大な影響を与えるだろう。他の先進国も同様の動きをとれば、気候資金の拡大はさらに困難になる。」
— マファルダ・ドゥアルテ GCF事務局長