熱帯一次林の喪失が3分の1以上減少

2025年から2026年にかけての熱帯一次林の喪失が前年比3分の1以上減少し、世界資源研究所(WRI)と共同で発表された「グローバル・フォレスト・レビュー」の最新版で明らかになった。一次林とは、人間による大きな影響を受けていない原生林を指す。

WRIによると、今年の減少は「記録的な火災被害が多発した前年からの反動」が主な要因だという。しかし、依然として10年前と比較すると46%も高い水準にあり、国際目標(2030年までに森林喪失を停止・逆転させる)を達成するには「はるかに不十分」な状況だ。

ブラジル、インドネシア、マレーシアで進展

ブラジルでは、面積ベースで最も大きな森林喪失を記録したものの、前年比42%減少した。アジェンシア・ブラジルによると、これは政府のタスクフォース(市民団体、学術機関、地元コミュニティ、民間企業が参加)の取り組みによる成果だという。

インドネシア、マレーシア、コロンビアでは、先住民の土地権の認識向上や企業の「伐採ゼロ生産」への取り組みが進み、森林喪失が減少したとエコニュース・ナイジェリアが報じた。

農業拡大が最大の要因

その一方で、農業拡大が世界的な森林喪失の最大の要因であることが、ロイター通信によって指摘された。また、火災の脅威が依然として残っており、最近の減少が逆転する可能性もあるという。

EUの森林減少防止法、産業圧力で骨抜きに

欧州委員会は産業界の圧力を受け、EUの森林減少防止法から「皮革の輸入を除外する」と発表した。皮革業界団体は「皮革は肉産業の副産物であり、牛肉生産ほど伐採を助長しない」と主張していた。

その一方で、牛肉の輸入は引き続き規制の対象となる。また、英国の議員団は「違法伐採関連の輸入を規制する法律の実施が4年以上遅れている」と指摘し、早期実施を求める公開書簡を発表した。英国では2021年の環境法で導入された森林リスク規制だが、実施が延期され続けているという。

EU・メルコスール協定、暫定発効へ

EUと南米4カ国(アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)との貿易協定「EU・メルコスール協定」が、25年にわたる交渉を経て5月1日に暫定発効した。ただし、欧州議会議員らは2024年1月に協定の法的審査を欧州司法裁判所に請求しており、正式な発効にはまだ時間がかかる見通しだ。

アジア・シンボル社、絶滅危惧オランウータンの生息地を伐採

「中国の紙パルプ大手アジア・シンボル社が、絶滅危惧種のオランウータンの生息地であるインドネシアの熱帯雨林を伐採し、『カーボンニュートラル』をうたう包装材メーカーに供給していた」

AFP通信とGecko Projectによる調査で明らかになった。同社は「カーボンニュートラル」を掲げる包装材メーカーに供給するため、大規模なプランテーション用地として森林を伐採していたという。