在来植物が庭の主役に

シカゴのキルボーン公園温室で、レン・コスタンゾ氏が錆びた滑車を両手で回すと、屋根が徐々に開き始めた。春の風が、プラスチック製のトレイに並ぶ1万2000株の苗木を優しく包み込む。コスタンゾ氏はシカゴ公園局で唯一の常勤職員として、年間1万5000株以上の植物を育て、同園の恒例植物販売会に向けて準備を進めてきた。

例年、この販売会には地元の園芸愛好家約1100人が訪れ、1株4ドルで植物を購入していた。しかし今年は記録的な盛況となり、2300人以上が来場。在来植物の人気が急上昇し、販売数は全体の5分の1を占めた。

在来植物とは?

在来植物とは、その地域の気候や生態系に長年適応してきた植物のこと。丈夫で手入れが少なくて済み、蝶やハチなどの生態系を支える重要な役割を果たす。かつては「雑草」と見なされていたが、環境保護意識の高まりとともに、その価値が見直されている。

コスタンゾ氏は「この5年で在来植物の需要が急増し、今年は30種類以上の在来種を栽培しました」と語る。在来植物は、従来の園芸植物と比べて維持費が低く、生態系への貢献も大きいため、今後ますます需要が高まると予想される。

業界の変化:在来植物の台頭

ウィスコンシン州を拠点とする「プレイリー・ナーサリー」の社長、ニール・ディボル氏は44年にわたり在来植物の販売に携わってきた。同社は昨年、在来植物の販売数が7%増加し、今年は50万株以上の植物と、さらに多くの種子を出荷している。

「これは一時的な流行ではありません。長期的な成長です」とディボル氏は強調する。1982年に事業を始めた際、年間売上はわずか1万3000ドルだったが、現在では「数字にゼロを数個追加できる」ほど成長したという。

環境問題が後押し

在来植物の需要増加は、気候変動や生物多様性の減少といった環境問題への関心の高まりが背景にある。例えば、オオカバマダラの幼虫は在来のアシタカゲワという植物を餌とするが、土地利用の変化により生息地が減少している。在来植物を庭に取り入れることで、こうした生態系の回復に貢献できる。

また、在来植物は乾燥や高温、洪水などの気候変動に強く、維持管理が容易なため、忙しい現代人にとっても魅力的な選択肢となっている。

「在来植物は、単に美しいだけでなく、生態系を支える重要な存在です。庭造りの新たなスタンダードとなるでしょう」
ニール・ディボル(プレイリー・ナーサリー社長)

在来植物のメリット

  • 環境への貢献:地元の生態系を支え、生物多様性を維持する
  • 維持管理が簡単:丈夫で水やりや手入れの手間が少ない
  • 気候変動に強い:極端な気象条件にも耐えられる
  • コストパフォーマンス:長期的に見れば経済的な選択肢

今後の展望

専門家によると、在来植物の需要は今後もさらに拡大すると見られている。シカゴをはじめとする全米各地で、在来植物を扱う園芸店や販売会が増加しており、業界全体が変化の波に乗っている。

「かつては在来植物を買い手がつかなかった時代もありましたが、今では庭造りの定番となりつつあります。これは持続可能なトレンドです」とコスタンゾ氏は語る。

出典: Grist