米国のスポーツ界で最も人気の高い postseason である NCAA トーナメントが、2027年から大幅に拡大される見通しとなった。ESPNのピート・サメル記者によると、NCAAは男女のバスケットボールトーナメントを現在の68チームから76チームに拡大する最終段階に入っており、近く正式発表される見込みだ。新しい形式でのトーナメントは来年から開始される予定だが、この動きは関係者やファンから強い反発を招いている。

拡大案が浮上するたびに見られる反応と同様、今回もほぼ全面的な反対の声が上がっている。米国スポーツで最も完成度の高い postseason である NCAA トーナメントを改変することに対し、合理的な理由は見当たらない。にもかかわらず、NCAAは金銭的な利益を優先し、拡大を強行しようとしている。

「誰も望んでいない拡大」がなぜ実施されるのか

拡大に賛成しているのは、一部のヘッドコーチ、スポーツディレクター、テレビ局の幹部などごく少数に限られている。彼らは自身の利益につながる可能性があるため、拡大を支持しているが、その利益はさほど大きなものではない。一方、ファンやメディア、その他の関係者の大半は、この拡大に強く反対している。

NCAA トーナメントはすでに米国で最も人気の高い postseason となっており、その人気は年々高まっている。にもかかわらず、拡大によって得られるメリットはほとんどない。むしろ、拡大によって予選リーグのような試合が増え、強豪校でも負け越しのチームが参加する可能性が高まり、試合の質や観客動員に悪影響を及ぼす懸念がある。

「90%の収入を生む大会」をなぜ変えるのか

NCAA トーナメントは年間約10億ドルの収入をもたらし、NCAAの年間総収入の約90%を占める。この事実だけでも、現状を維持すべき明確な理由となるはずだが、NCAAはそれでも拡大を推し進めようとしている。唯一の説明は「金への執着」だ。いくらお金があっても足りないという考えが、この拡大を後押ししているのだ。

その結果、2027年からは、負け越しの強豪校が ugly な試合を小規模な会場で行う様子が、3月に放映されることになる。ファンはこれに対し、これ以上の拡大ではなく、むしろ1985年から2001年までの64チーム制への縮小を望んでいるのが現実だ。

NCAA は過去数十年にわたり、数々の不可解な決定を下してきたが、その一方で、3月に開催されるこの大会を通じて米国の人々を魅了し続けている。しかし今回の拡大は、その唯一の成功例を自ら台無しにする行為と言わざるを得ない。

出典: SB Nation