上院銀行委員会によるCLARITY法案の審議が来週に迫る中、同法案の行方を左右する新たな倫理規制を巡る党派間の対立が激化している。同法案はデジタル資産の規制当局を明確化することを目的としているが、トランプ一族の暗号資産事業との利益相反問題が焦点となっている。
法案審議の遅れと党派間の対立
CLARITY法案は、デジタル資産を米証券取引委員会(SEC)または商品先物取引委員会(CFTC)の管轄下に置く条件を定めるもので、数か月ぶりの前進とされていた。しかし、5月7日に暗号資産ジャーナリストのエレノア・テレット氏が報じたところによると、同法案の草案が業界関係者間で回覧されており、民主党の優先事項を反映した修正が委員会採決前に行われる可能性があるという。
その一方で、民主党議員らは、連邦当局者や議員による暗号資産への関与に対する倫理規制の導入を求めている。特に、トランプ前大統領の家族が関与する暗号資産事業に対する利益相反問題が議論の的となっている。
民主党の要求と共和党の反発
民主党の交渉担当者らは、銀行委員会版の法案に倫理規定を含めることを求めている。アリゾナ州選出の上院議員ルーベン・ガジェゴ氏は、倫理問題を委員会承認後の床審議に委ねるのではなく、委員会段階で解決すべきだと主張している。
これに対し、共和党議員らは、倫理規制は銀行委員会の管轄外であり、後の立法過程で扱うべきだと主張している。この手続き上の対立が、法案の行方を左右する要因となっている。
共和党議員らは、最終的な法案成立前に倫理規制を追加することに前向きな姿勢を示しているが、民主党議員らは、問題を先送りすれば、トランプ一族の利益相反問題が解決されないまま法案が成立する可能性があると懸念している。
エリザベス・ウォーレン議員の批判
民主党内で暗号資産規制に対する批判的な立場を取るエリザベス・ウォーレン議員は、5月7日の発言で、トランプ一族の暗号資産事業に対する利益相反問題を厳しく批判した。
「トランプ一族の暗号資産事業は、一般投資家が損失を被る一方で、密かに利益を得ていた。投資家保護を怠り、大統領の汚職を放置する法律など、紙切れ同然だ」
民主党議員のジレンマ
民主党議員らは、暗号資産業界が長年求めてきた規制枠組みを整備することで、業界の支持を得られる可能性がある一方で、倫理規制を盛り込まない法案を支持すれば、トランプ一族の利益相反問題を放置することになるとの批判を浴びるリスクがある。
このため、民主党議員らは、倫理規制の導入を巡る党派間の対立が、法案の審議をさらに難航させる可能性があると懸念している。