SEC、ムスク氏のTwitter株保有不申告問題で15億円の和解案を提示

米証券取引委員会(SEC)は、テスラCEOのイーロン・ムスク氏が2022年にTwitter(現X)の株式9%を保有していたにもかかわらず、法定期限内に申告しなかった問題を巡り、150億円規模の訴訟を15億円の罰金で和解する提案を受理した。

この提案は、トランプ政権下のSECが行ったもので、連邦裁判所の承認を得れば正式に成立する見通し。ムスク氏の保有株式は、申告期限を過ぎた後に大量に購入されており、SECは「ムスク氏が人為的に低い価格で株式を購入できた」と指摘していた。

Twitter買収前の不適切な株式取得が問題に

2022年、ムスク氏はTwitterの株式9%を保有していたが、米証券法に基づく「5%ルール」により、10日以内に保有比率の申告が義務付けられていた。しかし、ムスク氏はこれを怠り、その後の株式購入で少なくとも150億円以上の不当な利益を得たとSECは主張していた。

ムスク氏は最終的に2022年10月にTwitterを買収したが、その際に株式の大量保有を公表したことで株価が急騰。SECは、ムスク氏の行為が市場の公正性を損なうものだったと指摘していた。

SECの長期調査を経て提案された和解

SECは、ムスク氏の株式保有問題について3年にわたって調査を実施。2025年1月にバイデン政権下で訴訟を提起したが、トランプ政権への移行により、裁判による解決が困難となった。このため、新政権下のSECは、ムスク氏に対し15億円の罰金と不当利得の返還を求める和解案を提示するに至った。

今後の手続きと影響

この和解案が連邦裁判所で承認されれば、ムスク氏は15億円の罰金を支払うことで法的責任を終えることになる。また、ムスク氏が設立した信託が罰金を支払う形となる見込みだ。

SECの対応は、政権交代に伴う規制当局の方針転換を象徴する事例として注目を集めている。今後、同様の案件における和解手法の変化が注目される。