米ニュージャージー州地方裁判所に10月10日付で提訴された訴状によると、カプリコール・セラピューティクスは、日本新薬およびその米国子会社NSファーマが、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「デラミオセル」の販売計画を履行していないと非難している。

さらに、両社が2025年3月に明らかにした独占販売契約に基づく価格設定の重大な欠陥により、米国の医療保険制度下で患者への治療提供が事実上不可能になると主張している。

価格設定の致命的な問題

訴状によれば、問題の核心は「致命的な欠陥」と呼ばれる価格算定式にある。この式では、米国における唯一の販売先であるNSファーマがカプリコールから購入する価格に基づいて、メディケアやメディケイド、民間保険による償還額が決定される仕組みとなっている。

しかし、現状の算定式では、医療機関が治療薬を購入・投与するコストよりも償還額が低くなるため、医療機関が経済的損失を被ることになる。これにより、治療薬の流通が事実上不可能となり、患者への治療提供が阻害されるという。

契約不履行と価格修正の拒否

カプリコールは、日本新薬とNSファーマが販売計画の履行を怠っているだけでなく、この価格設定の問題を修正する意思がないと指摘している。同社は、契約に基づく義務を果たさない両社に対し、損害賠償と契約の履行を求める訴訟を提起した。

また、カプリコールは、この価格設定の問題が「経済的に実行不可能」な状況を招いていると強調し、患者への治療機会を確保するためには、直ちに価格算定式の見直しが必要だと主張している。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の現状

デラミオセルは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬として開発された遺伝子治療薬であり、重篤な筋肉疾患の進行を遅らせる可能性が期待されている。しかし、米国における販売計画の遅延と価格設定の問題により、治療薬の普及が阻害されている状況だ。

カプリコールは、この問題が解決されなければ、治療薬の米国市場への参入が事実上不可能になると警告している。

出典: STAT News