米国では、イスラエルとイランの緊張関係やホルムズ海峡を通る原油の流れの制限により、ガソリン価格が急騰している。特にシアトルでは、ガソリン1ガロンあたりの平均価格が5.96ドルに達し、1か月前より30セント、1年前より1.50ドルも上昇した。
こうした状況下で、企業が従業員にeバイクやスクーターのサブスクリプションを福利厚生として提供する動きが広がっている。ワシントン大学は4月から、サステナビリティ目標の一環としてRidepandaと提携し、eバイクやスクーターの利用を可能にした。
Ridepandaの利用者が記録的な伸びに
Ridepandaによると、ガソリン価格が4ドルを超えた昨年4月は、同社の新規利用者数が過去最高を記録した。全体の利用者数は3月にガソリン価格が高騰し始めてから46%増加し、前年同期比では94%の伸びを記録した。4月には1日の注文件数が平均の311%に達し、5月に入ってもその傾向が続いている。
同社の共同創業者兼CEO、Chinmay Malaviya氏は「多くの利用者はマイクロモビリティの世界に初めて触れており、これまで車で通勤していた人も少なくない」と語る。同社の調査では、利用者の平均的な利用頻度は週に6回の自動車利用を置き換えており、従業員1人あたり年間約1,500ポンドのCO2排出量を削減できるという。
ガソリン価格高騰が追い風に
Malaviya氏は「顧客に理由を尋ねると、コストがますます大きな要因になっている」と述べる。同社の調査では、顧客がRidepandaを利用する理由の上位3つは、コスト削減、サステナビリティ、健康増進の3点だという。
特に都心部では、高額な駐車料金や車両維持費が負担となっている。Malaviya氏は「当初は成長を計画していたが、想定以上のスピードで拡大している。ガソリン価格の高騰は、我々にとって大きな成長要因となった」と話す。
コンサルティング会社ガートナーによると、米国の平均通勤費は1日あたり17.17ドルに達し、前年比で11%上昇した。Ridepandaのサブスクリプションは月額45ドルから始まるが、選択する車種によって料金は異なり、例えば貨物用バイクなどはより高額になる場合がある。
職場の福利厚生としての可能性
ガソリン価格の高騰が続く中、企業が従業員の通勤負担を軽減するための新たな福利厚生として、eバイクやスクーターのサブスクリプションが注目を集めている。ワシントン大学の取り組みはその先駆けであり、今後も同様の動きが広がることが予想される。
「コスト削減は顧客にとってますます重要な要因となっている。Ridepandaの利用は、経済的な負担軽減だけでなく、環境への配慮や健康増進にもつながる」
— Chinmay Malaviya, Ridepanda共同創業者兼CEO