オーストラリア市場で注目を集めるキアの新型ピックアップトラック「タスマンX-Pro」が、従来のトラックとは一線を画す存在感を放っている。SUVのような乗り心地と快適性を備えながら、独創的なデザインが話題となっている。

本格派の走りと実用性を追求

キアがピックアップトラック市場に参入したのは意外と遅かったと言える。しかし、同社は控えめなユニボディ構造ではなく、本格的なラダーフレーム構造を採用するという大胆な選択をした。これは、市場に新風を吹き込む意欲的な試みだ。

一方で、ピックアップトラック愛好家の多くは保守的な傾向があり、新規参入メーカーにとっては決して容易な市場ではない。そんな中、キアは「タスマンX-Pro」で独自のポジションを確立しようとしている。

主なスペックと特徴

  • モデル名:キア タスマン X-Pro デュアルキャブ 4×4
  • 価格:オーストラリア市場で42,990豪ドルから
  • 寸法:全長5,410mm × 全幅1,930mm × 全高1,920mm
  • ホイールベース:3,270mm
  • 車両重量:2,300kg
  • パワートレイン:2.2L 直列4気筒ターボディーゼル / パートタイム4WD
  • 出力:207馬力(154kW)/ 441Nm(325lb-ft)
  • サスペンション:前:独立ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング / 後:リジッドアクスル式リーフスプリング

デザインのインパクトと内装の快適性

「タスマンX-Pro」の最大の特徴は、その独特なフロントデザインにある。人間の脳が無生物に顔を見出す「パレイドリア現象」を刺激するような、目のない顔のようなデザインは、見る者を戸惑わせる。ヘッドライトがスモーク処理され、フェンダーフレアに組み込まれている点も、違和感を与える要因となっている。

「タスマンの顔は写真で見るほど醜くはないが、それでも多くの人が違和感を覚えるだろう。脳が無意識のうちに顔を探しているからだ」と専門家は指摘する。

しかし、フロントビューを除けば、全体的なプロポーションは良好だ。箱型のキャブ構造は、ピックアップトラックらしいスタイルを自然に表現しており、多くの競合車が採用する高いウエストラインやアップスイープしたベルトラインよりも、よりピュアなピックアップのイメージを演出している。

内装については、快適性と機能性が高く評価されている。オーストラリア市場向けの上級グレード「X-Pro」では、17インチホイールと265/70 Hankook A/Tタイヤが装備されるが、サンゴーフは省略されている。一方で、南アジア市場向けモデルでは、オーストラリア仕様にある6.3リットルのリアフェンダーストレージが搭載されていない点も特徴だ。

走りと実用性のバランス

「タスマンX-Pro」は、SUVのような乗り心地とトラックの実用性を両立させたモデルだ。ラダーフレーム構造を採用することで、本格的なオフロード走行にも対応しつつ、快適なドライブを提供する。これは、ピックアップトラック市場に新たな選択肢を提供する試みと言えるだろう。

キアの挑戦は、今後どのように受け止められるのか。市場の反応が注目される。

出典: CarScoops