マーベル・コミックスを代表する人気キャラクターの1人でありながら、複雑な背景を持つアンチヒーロー「ザ・パンisher」。軍隊でのトラウマと家族の惨殺を経験したフランク・キャッスルは、罪ある者に対して徹底的な制裁を加えることだけを生きがいとしている。
そんな彼の物語に登場する新たな敵役に、名優ジュディス・ライトが抜擢された。ライトはテレビドラマ「ワンライフ・トゥ・リヴ」や「Who’s the Boss?」「アグリー・ベティ」「ポーカー・フェイス」などで活躍してきた実力派女優だが、今回の役どころはこれまでとは一線を画すものだ。
犯罪一家の女首領「マ・グヌッチ」を演じる
ライトは「ザ・パンisher: ワン・ラスト・キル」に出演し、犯罪一家グヌッチ家の女首領「マ・グヌッチ」を演じる。彼女はこの役について「驚かれるかもしれません。でも、きっと評価してもらえると思います」と語り、その演技の幅の広さを示唆した。
「これは復讐というものが人に与える影響についての物語です。フランク・キャッスルがどれほどの痛みを抱えているのか、その裏側に迫る内容になっています」とライトは語った。
マ・グヌッチの因縁の物語
マ・グヌッチは2000年に発売されたコミック「ザ・パンisher #4」で初登場したキャラクターだ。同作は「Welcome Back, Frank」というストーリーの一環で、フランク・キャッスルが天使のような存在からニューヨークの暗黒街に戻るきっかけとなったエピソードとして知られている。
この物語では、フランクがグヌッチ一家を徹底的に追い詰める展開が描かれる。一家がフランクをニューヨーク動物園に追い込んだ際、フランクは動物を利用した独創的な殺戮方法で一家を襲う。ピラニアの水槽に突き落とされたり、ボアコンストリクターに絞め殺されたりと、その手段は過激を極める。そしてマ・グヌッチ自身も、フランクによって氷山に突き落とされ、命からがら生き延びるという屈辱を味わう。
その後も彼女はフランクへの復讐を続けるが、最終的に「ザ・パンisher #12」でフランクによって燃える邸宅に蹴り落とされ、物語は幕を閉じる。この一連のストーリーはブラックユーモアに溢れており、作者のギャース・エニスが得意とする皮肉なジョークが随所にちりばめられている。
テレビシリーズとの違い
これまでの実写化作品では、2004年の「ザ・パンisher」と「パンisher:ウォー・ゾーン」が「Welcome Back, Frank」をモチーフにしていたが、Netflixシリーズでフランク・キャッスルを演じたジョン・バーンサル版では、よりリアルで人間味のある表現が重視された。そのため、コミック版の過激な描写とは一線を画す内容となっている。
そんな中、ライトの演技によってマ・グヌッチというキャラクターが新たな解釈で描かれることで、フランク・キャッスルの物語にさらなる深みが加わることが期待される。