司法省がSPLCを起訴、トランプ支持者らは報復の機会を捉える

米司法省は先週、公民権団体「南部貧困法律センター(SPLC)」を詐欺容疑で起訴した。同団体が寄付者に対して、反ヘイト団体内部の情報提供者に大規模な資金を支払っていたとの疑惑が浮上した。同団体の存在意義を否定する形で、「SPLCは人種差別をでっち上げて存在意義を正当化していた」と、司法長官代行のトッド・ブランシェ氏は声明で非難した。

FBIのカシュ・パテル長官も「SPLCは寄付者を欺き、自身の利益を追求するために大規模な詐欺を行っていた」と断言した。

トランプ氏の反応と選挙無効化論への波紋

トランプ前大統領は13日未明、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、SPLCの起訴を「米国史上最大の政治的詐欺」と非難した。さらに「2020年の大統領選挙は無効であり、永久に抹消されるべきだ」と発言した。選挙から15カ月以上が経過した現在でも、選挙結果の無効化を主張する法的根拠は示されていない。

AIチャットボットが次なる標的を提案、支持者らが反応

トランプ氏の主要支援者であるマーク・アンドリーセン氏は、X(旧ツイッター)上でAIチャットボット「Grok」に対し、「同様の活動を行う他の圧力団体はどこか」と質問した。アンドリーセン氏はその後、「Grokが次なる標的を提案した」と投稿し、多くのフォロワーに注目を集めた。

Grokは大規模言語モデルであり「思考」を持たないが、以下の団体を次なる標的として挙げた。

  • 反中傷・反差別リーグ(ADL)
  • メディア・マターズ・フォー・アメリカ
  • GLAAD
  • ヒューマン・ライツ・キャンペーン

Grokは「これらの団体にSPLCと同様の詐欺行為は立証されていない」と但し書きを加えた。実際、SPLC自身に対しても詐欺行為の立証はなされていない。

「ADLは『ヘイト』を追跡し、保守派への過剰な圧力を行使していると批判されている。メディア・マターズは保守言論への広告ボイコットを推進し、CCDHはプラットフォームへの検閲圧力を報告している。これらは全て敵を特定し、活動を煽るためのモデルだ」
— Grok (@grok), 2026年4月23日

この投稿に対し、イーロン・マスク氏は「興味深い議論だ」とコメントし、自身の2億3,900万人のフォロワーに向けてアンドリーセン氏の調査を拡散した。

活動家団体への圧力が加速、米国の分断が深刻化

ADL、メディア・マターズ、GLAAD、ヒューマン・ライツ・キャンペーンはいずれも中道から左派寄りの政治的立場を持ち、過激派とはみなされていない。しかし、これらの団体は保守派から「言論統制」や「過剰な圧力」を行使していると批判されてきた。

アンドリーセン氏は同日夜に別の投稿で、「過去10年間、これらの団体が誰を排除・検閲・経済制裁の対象とするかを決定していた」と述べ、「米国的でない行為であり、関係者は刑務所に入るべきだ」と主張した。

専門家からは懐疑的な声も

SPLCの起訴に対し、政治的立場を超えて多くの専門家が懐疑的な見方を示している。しかし、トランプ氏とその支持者らは、SPLCへの攻撃を皮切りに、他の活動家団体への圧力を強める構えだ。米国の政治的分断がさらに深刻化する可能性が懸念されている。