米国の医療用大麻産業にとって画期的な動きが行われた。トランプ政権は4月23日、医療用大麻を連邦法上の規制が厳しいスケジュールIからIIIに再分類する大統領令に署名した。これにより、医療用大麻関連企業は税制面での優遇措置を受けられるほか、研究機関による大麻の研究が容易になると期待されている。
再分類は、医療用大麻を「乱用の可能性が低く、医療用途が認められた薬物」と位置づけるもので、現在のスケジュールI(LSDやヘロインと同等の扱い)からスケジュールIII(コデイン配合の鎮痛剤などと同等)への移行が見込まれる。ただし、この決定は連邦法上の大麻合法化を意味するものではない。
再分類の主な影響
- 税制優遇:医療用大麻関連企業は、これまで課されていた高額な税金から解放される見込み。
- 研究促進:大麻の医療効果に関する研究が進みやすくなり、医師や患者にとって有益なデータが蓄積される。
- 規制緩和:連邦政府による取り締まりリスクが低減し、州レベルで合法化されている事業者の活動がより安定する。
米司法省の声明によると、再分類は「医療用大麻の安全性と有効性に関する研究を促進し、患者により良い治療オプションを提供する」ことを目的としている。また、大統領令の署名に先立ち、トランプ氏は「医療用大麻の規制緩和を求める多くの電話を受けた」と語っている。
連邦法上の大麻は依然として違法
今回の再分類は医療用大麻に限定された措置であり、娯楽用大麻の合法化には直接関与しない。米国では現在、38州以上で医療用大麻が、24州以上で娯楽用大麻が合法化されているが、連邦法上は依然としてスケジュールIに指定された違法薬物のままである。このため、州で合法とされている場合でも、連邦当局による摘発リスクが残っている。
専門家は「再分類は重要な第一歩だが、完全な合法化にはさらなる法改正が必要」と指摘。特に、銀行や金融サービスへのアクセス制限など、州レベルで合法化されている事業者が直面する課題の解消が求められている。
国民の支持は拡大傾向
米国における大麻合法化への支持は年々高まっている。2025年のギャラップ社の世論調査によると、2005年には36%だった合法化支持率が、2025年には64%にまで上昇。党派を超えて支持が広がっており、再分類の決定もこうした世論の後押しを受けた形だ。
今後の展望
米司法省は6月に公聴会を開催し、大麻のより広範な規制緩和に向けた検討を進める方針。再分類の実施に伴い、医療用大麻業界は新たなフェーズを迎えることになるが、完全な合法化に向けた動きは今後も注目を集めそうだ。