米国のジェフリー・エプスタイン事件に関わる重要な謎の一つが、いまだ解明されていない。なぜ、ギスレーン・マックスウェルが昨年、テキサス州ブライアンにある最低警備レベルの刑務所に移送されたのかという点だ。同施設は主に非暴力犯罪者や白領犯罪者を収容しており、エプスタインの共犯者であるマックスウェルの移送は不自然に映る。
この奇妙な移送は、当時ドナルド・トランプ前大統領の個人弁護士であったトッド・ブランシェ副司法長官(当時)がフロリダ州タラハシーを訪れ、マックスウェルと数時間にわたる面談を行った後のことだった。面談中、マックスウェルはトランプを賞賛し、彼が性的不正行為に関与したことは目撃していないと述べたという。当時、マックスウェルは中警備の男女混合刑務所に収監されていたが、ブライアンの施設は女性専用で、ヨガ教室や子犬プログラムなど、より快適な環境が整っていた。政府はなぜこの移送が行われたのか、いまだ説明を示していない。
当時、ブライアンの施設には、不正行為で有名な Theranos 創業者エリザベス・ホームズや、テレビ番組「ザ・リアル・ハウスワイブス・オブ・ソルトレイクシティ」に出演していた詐欺師ジェン・シャーも収監されていた。
情報公開請求から始まった調査
この疑問に答えるため、筆者は昨夏、連邦刑務局(BOP)に対し、情報公開法(FOIA)に基づく請求を行った。具体的には、マックスウェルのブライアン刑務所への移送に関連するすべての記録の開示を求めた。これには、メール、覚書、移送命令、電話メッセージ、テキスト、電子チャット、BOP内部または他機関とのやり取りなどが含まれる。
しかし、BOPは迅速な対応を見せなかった。数か月にわたる遅延の後、同局はこの請求に対応するのに最大9か月を要すると通知した。そのため、報道の自由を支援する非営利団体「Reporters Committee for Freedom of the Press」が、調査報道メディア「Center for Investigative Reporting」(母体は Mother Jones)を代表して、BOPに対し情報開示を求める訴訟をワシントンD.C.の連邦地裁に提起した。訴状では、BOPが当初、法定期限内に応答しなかったことで情報公開法に違反したと指摘している。
12万ページに及ぶ膨大な資料
今月、BOPは裁判所に提出した文書で、驚くべき事実を明らかにした。FOIA請求に対する初期調査の結果、15.8GBに及ぶ関連資料が見つかり、そのダウンロード過程でシステムが複数回クラッシュしたという。これは膨大な量の情報であり、BOPは現在も資料のダウンロードと整理を進めている。同局は最終的に「約12万ページの資料」が存在する可能性があると試算している。
12万ページもの資料が、たった一つの移送に関連している可能性があるとは、想像を絶する量だ。BOPは今後、ダウンロードした資料について「応答性と重複排除のレビュー」を行い、最終的に開示可能な文書を絞り込むとしている。
なぜこれほど膨大な資料が存在するのか。その理由は依然として明らかではないが、政府の対応の透明性にさらなる疑問を投げかけるものとなっている。