米ゼネラルモーターズ(GM)傘下のビュイックは、北京モーターショーにて、未来的なデザインを提案するコンセプトカー「Buick Electra Zenith Mobile Space Smart Body」を発表した。同車は、回転式シートや分割可能なテーブル、AIを活用した投影ライトなど、SF映画のような先進機能を多数搭載しており、ビュイックの今後のデザイン方針を示す重要な存在となっている。

「クジラ型」の斬新なデザイン

このコンセプトカーは、半透明の涙滴型ボディと、伝統的な東洋刺繍にインスパイアされた「フローティングウィングシールド」と呼ばれるフロントデザインが特徴だ。レーザー彫刻された羽のような模様がボディ全体に施され、まるで生き物のようなフォルムを演出している。公式発表によれば、この「クジラ型」のデザインは、将来のビュイックの方向性を示すものとされている。

AI投影ライトやアクティブエアロホイールなどの先進技術

フロントフェイスには、接近を感知すると光るAIインタラクティブプロジェクションライティングが搭載されており、従来のヘッドライトとは一線を画す斬新な演出を可能にしている。リアにはU字型のアクティブリヤスポイラーや、空力性能を調整するアクティブエアロホイールが採用されており、実用性よりもビジュアル面でのインパクトを重視したデザインとなっている。

シートは360度回転、テーブルは分割可能

車内は、伝統的な中国の扇子や衝立にインスパイアされたセンターコンソールが特徴的だ。このコンソールは、結晶扇型のテーブルに変形し、回転・折りたたみ・仕切りとしての機能を果たす。さらに、4つのシートは360度回転可能で、乗員同士が向かい合って会議や食事をすることもできる。前席は大胆にリクライニングし、後席の乗員が足を乗せられるほどのスペースを確保している。

中国市場での存在感を高める戦略

ビュイックは現在、米国ではSUVの販売に注力しているが、中国市場ではこのような斬新なコンセプトカーを発表することで、ブランドの革新性をアピールしている。しかし、これらの機能が市販化されるかは不透明だ。GMの中国における販売台数は前年比75%減と低迷しており、ビュイックもその影響を受けている。同社は、中国市場での競争力強化を図るため、このような先進的なコンセプトを発表することで、消費者の注目を集めようとしている。

「このコンセプトカーは、ビュイックが目指す未来の方向性を示すものだ。しかし、実用性と斬新さのバランスが課題となるだろう」
—— 自動車業界アナリスト

今後の展望と課題

ビュイックのエレクトラ・ゼニスは、現時点では市販化の予定はないものの、今後の技術開発やデザインの方向性を示す重要な一歩となっている。特に中国市場では、若年層を中心に斬新なデザインや先進技術に対する関心が高まっており、このようなコンセプトカーがブランドイメージの向上につながる可能性がある。一方で、実用性やコスト面での課題も多く、市販化に向けたハードルは高いとみられている。

出典: CarScoops