フォード、火災リスクで2件のリコールを発表 — 対象は14万台超

フォード・モーターは、火災に関連する2件の新たなリコールを発表した。対象車両は計14万256台に上り、その大半がサンバイザー配線の不良による火災リスクが指摘されている2024~2026年式フォード・レンジャーだ。また、既存のエンジンブロックヒーターに関するリコールも拡大される。

レンジャーのサンバイザー配線不良が火災の原因に

最大のリコール対象は、2024年から2026年にかけて製造された14万201台のレンジャー。フォードによると、サンバイザーの配線がショートし、火災につながる可能性があるという。同社は昨年10月、2024年式レンジャーが走行中に炎上した事例を調査した際、火災の原因がサンバイザーの電源リード線における電気的なショートである可能性が高いと判断した。

フォードの調査により、2つの重大な問題が明らかになった。

  • ヘッドライナー配線回路の保護テープが厚すぎる:配線ハーネスが金属部品の開口部に引っかかり、配線が損傷する可能性がある。
  • 配線ハーネスの配置不良:不適切に配線されたハーネスが金属部品と接触し、配線が損傷するリスクがある。

これらの問題により、配線が損傷し、互いに接触したり、車体の金属部分と接触することで、アーク放電やショート、ボディコントロールモジュールの再起動、煙、焼損、溶解、さらには火災につながる可能性がある。フォードによると、この問題は徐々に進行し、繰り返されるショートやアーク放電によりススが蓄積され、最終的に火災に至る可能性があるという。

これまでに、この問題に関連する保証請求が3件、フィールドレポートが2件、顧客サービス記録が1件報告されているが、このうち実際に炎上したのは1件のみで、他の3台は「煙や焼損の痕跡」が確認されたにとどまっている。幸いなことに、けがや事故の報告はない。

対策とリコールの実施時期

フォードは、この火災リスクに対処するため、ディーラーに対し、B14AA-11という診断トラブルコードの履歴を確認するよう指示している。このコードは、サンバイザーランプのショートを示すものだ。問題の履歴が見つかった場合、技術者がサンバイザー配線ハーネスの損傷を点検し、必要に応じて交換する。また、すべての対象車両には、新しいボディコントロールモジュールソフトウェアが適用され、一定回数のB14AAトラブルコードを検出した場合にサンバイザーランプへの電力供給を遮断する機能が追加される。

現時点では完全な解決策はないが、顧客には今月中に暫定的な通知が送付される予定。完全な修理方法が確定次第、8月頃に再度通知が行われる見込みだ。

エンジンブロックヒーターのリコールも拡大

2件目のリコールは、既存のエンジンブロックヒーターに関する火災リスクの拡大だ。これまでの対象車両6,781台に加え、55台が追加される。フォードは、エンジンブロックヒーターの不具合により火災が発生する可能性があるとして、対象車両の所有者に対し、早急な点検と修理を呼びかけている。

フォードのリコール件数、業界で最多に

今回の2件のリコールにより、フォードのリコール件数は33件に達した。これは、業界で2番目に多いメーカーの3倍以上に相当する数字だ。同社は「リコールの王」とも呼ばれており、度重なるリコールにより、顧客からの信頼回復が課題となっている。

「フォードは、安全性の向上に努めているが、リコールの多さが顧客の不安を招いている。今後、より迅速かつ的確な対応が求められる。」

自動車業界アナリスト

顧客への対応と今後の展望

フォードは、顧客に対し、リコール対象車両の所有者には速やかにディーラーに連絡するよう呼びかけている。また、安全性の向上に向けた取り組みを強化し、今後もリコールの発生を最小限に抑えるよう努めるとしている。

出典: CarScoops