米国で急速に拡大するデータセンター建設ブームは、アイルランドで数年前から進行していた現象と類似している。このため、長時間エネルギー貯蔵技術を手掛けるフォームエナジーは、初の海外プロジェクトをアイルランドで展開することを決定した。

同社のCEO、マテオ・ハラミロ氏は、サンフランシスコ・クライメート・ウィークの一環として開催された「ヒートマップ・ハウス」で、アイルランドを「未来のポストカード」と表現した。同氏は、100時間バッテリーが「実質的に火力発電を代替し、競合できるレベル」に達すると説明。この技術がデータセンターの電力安定供給だけでなく、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を加速させる可能性を強調した。

フォームエナジーは2017年に設立され、鉄空気電池技術を用いて100時間連続で放電可能なバッテリーを開発。今年2月には、Googleと米国の電力会社Xcel Energyと提携し、世界最大級となる30ギガワット時のエネルギー貯蔵が可能なバッテリーの建設を発表した。

米国における再生可能エネルギーの導入が停滞する一方で、データセンター需要の急増により、エネルギー貯蔵企業は好調を維持している。ハラミロ氏は「会社設立時、データセンター需要の急増は予想していなかったが、電力需要の長期的な成長トレンドは確信していた」と語った。

エネルギー貯蔵業界は、昨年の米国共和党による気候関連法案の大幅な修正にもかかわらず、依然としてインフレ削減法(IRA)のエネルギー貯蔵税額控除の恩恵を受けている。ハラミロ氏は「当社はこの両方の税額控除を活用できる。実際、100時間というバッテリー容量は、製造業向け税額控除の法案文書に明記されている」と述べた。

バッテリー技術は、再生可能エネルギーの不安定な発電を補完し、天然ガス発電所の廃止を加速させる可能性を持つ。ハラミロ氏は「現時点でのコスト削減目標は、キロワット時あたり約20ドル。これは非常に短期間で達成可能だと確信している」と語った。