ボリビアの熱帯林が危機的な状況に

衛星画像が示すように、ボリビア東部の低地では1984年から2022年にかけて、主に農地拡大により熱帯林が大規模に消失してきた。2025年の1年間だけで、ボリビアは150万エーカー(デラウェア州とほぼ同面積)の原生林を失った。これはブラジルに次ぐ規模で、世界で2番目に深刻な森林減少国となった。米メリーランド大学と世界資源研究所(WRI)の分析による。

失われた森林は、アマゾン熱帯雨林やチキタノ乾燥林など、地球規模で重要な生態系の一部だ。これらの地域は、絶滅危惧種のオオオナガオオカミ(実際にはオオカミではない)を含む多様な野生動物の生息地であると同時に、大量の炭素を蓄える重要な役割を果たしている。樹木が伐採されると、蓄積された炭素が大気中に放出され、気候変動が加速する。

熱帯地域の年間森林伐採による二酸化炭素排出量は、EU全体の排出量を上回るという事実もある。ボリビアの森林減少は、他の熱帯国と同様のパターンで進んでいるように見える。すなわち、牧畜と農業のための土地確保が主な要因だ。特に乾燥化が進むボリビアでは、気候変動により干ばつが深刻化し、制御不能な山火事が発生しやすくなっている。その結果、本来燃えるはずのなかった原生林まで焼失するケースが増加している。

意外なプレイヤー:白い宗教団体の関与

しかし、ボリビアの森林減少の背景には、予想外のプレイヤーが関与している。ボリビアのNGO「Conservación Amazónica」の科学技術プログラムディレクター、ダニエル・ラルレア氏によると、森林伐採の主な理由は牧畜用地の確保だという。森林伐採は既存の牧草地を購入するよりもコストが低く、土地所有者は「生産的な利用」を示す必要があるため、結果的に森林伐採が促進される

ボリビアの森林減少のもう一つの要因は、大豆農業の急速な拡大だ。大豆はボリビアの主要輸出作物であり、2001年から2021年にかけて約220万エーカー(プエルトリコとほぼ同面積)の森林が大豆農地に転換された。Amazon Conservation Association(Conservación Amazónica傘下)の2023年の報告書によると、これらの大豆は主に家畜飼料や大豆油の需要を満たすために栽培されている。

ボリビアの大豆産業は、ブラジルやアルゼンチンとの競争激化により、さらなる拡大が見込まれている。その結果、森林伐採は今後も加速する可能性が高い。環境保護団体は、持続可能な農業への転換や、森林伐採を抑制する政策の強化を求めている

森林伐採がもたらす深刻な影響

  • 生物多様性の喪失:オオオナガオオカミをはじめとする多くの野生動物が生息地を失う。
  • 気候変動の加速:伐採された樹木が蓄えていた炭素が大気中に放出され、温暖化が進む。
  • 先住民コミュニティへの影響:森林に依存した生活を送る先住民が生活基盤を失う。
  • 土壌劣化と水不足:森林の喪失は土壌の保水力を低下させ、干ばつや洪水のリスクを高める。

「ボリビアの森林伐採は、単なる経済活動の拡大ではなく、環境と社会に長期的な影響を及ぼす重大な問題です。持続可能な開発への転換が急務です」
ダニエル・ラルレア氏(Conservación Amazónica)

今後の展望と課題

ボリビア政府は、森林伐採を抑制するための政策を導入しているが、牧畜業者や大豆農家の経済的利益とのバランスを取ることが難しいのが現状だ。国際社会からの支援や、持続可能な農業技術の導入が求められている。

一方で、消費者の意識向上も重要だ。欧米諸国を中心に、ボリビア産の大豆や牛肉の需要が森林伐採を助長している側面もある。持続可能な調達を求める消費者の声が高まることで、企業や政府の行動変容が期待できる

ボリビアの熱帯林の未来は、今まさに岐路に立っている。環境保護と経済発展の両立を図るための、迅速かつ包括的な対策が必要とされている。

出典: Vox