決算前のビットコイン購入停止を発表

ビットコイン投資企業のマイクロストラテジー(MSTR)は、5月6日の決算発表を前にビットコインの購入を一時停止すると発表した。同社は2024年に入って2度目の購入停止となるが、これは同社がソフトウェア企業から資本市場を活用したビットコイン蓄積企業へと転換したことを示す象徴的な動きだ。

マイケル・セイラー会長のコメント

マイケル・セイラー会長は5月5日、同社が今週のビットコイン購入を中断し、来週から再開すると発表した。セイラー会長は「当社は資本市場を活用したビットコインの蓄積に注力しており、この戦略は今後も継続される」と述べた。同社は現在、約81万8,334ビットコイン(総供給量の3.9%相当)を保有しており、世界最大の公開ビットコイン保有企業となっている。

決算発表と株価動向

MSTRは5月7日に第1四半期決算を発表する予定で、アナリストらは売上高が前年同期比で増加する一方で、ビットコイン会計処理や資金調達コストに起因する損失が続く見通しだ。売上高は約1億2,500万ドル(前年同期比12.5%増)に達すると予想されているが、1株当たり損失は予想値が大きく分かれている。

ビットコイン価格は8万ドル台で推移しており、暗号資産市場全体のセンチメント回復を後押ししている。この価格上昇を受け、MSTRの株価は5月6日の取引開始直後から3%上昇。直近2日間では10%を超える急騰を記録した。

STRC:新たなビットコイン投資手法

マイクロストラテジーは、従来のビットコイン直接購入に加え、STRC(Strategy Bitcoin-Redeemable Convertible Preferred Stock)と呼ばれるビットコイン担保型優先株を通じた資金調達を強化している。STRCは年間11.5%の変動配当を提供し、現在85億ドル相当のノミナルバリューに成長しているとセイラー会長は主張する。

セイラー会長は先週ラスベガスで開催されたBitcoin 2026カンファレンスで、STRCを中心とした講演を行った。講演では「世界の300兆ドル規模の信用市場は、2兆ドル規模のビットコイン市場よりもはるかに大きな機会であり、STRCは両者を橋渡しする最初の製品だ」と述べた。また、STRCは月次配当を支払う優先株としては過去9カ月で最大規模に成長し、すでにブラックロックのiShares Preferred Income Securities ETFが約2億1,000万ドル相当を保有している。

セイラー会長は「STRCは急速に拡大しており、これはまさにバズっている状態だ」と語った。同社はSTRCを通じて約7万7,000ビットコインの獲得を資金調達したと発表している。

STRCのリスクと課題

一方で、アナリストらはSTRCの構造に潜むリスクを指摘している。STRCの保有者は同社のバランスシートに連動した収入を得られるが、ビットコイン価格の下落や株式需要の低下により損失を被る可能性がある。また、STRCは高利回りながらも変動リスクが伴うため、投資家は慎重な判断が求められる。

今後の展望

マイクロストラテジーは、ビットコインの直接購入とSTRCを通じた資金調達の両輪でビットコインへのエクスポージャーを拡大していく方針だ。決算発表後も同社の戦略と財務状況に注目が集まるだろう。