メタプラネットは5月16日、50億円相当の無利子社債を発行し、ビットコインの保有拡大に充当する計画を発表した。同社は2027年4月償還の無担保普通社債を発行し、調達資金をビットコインの追加購入に充てる方針だ。

発行された社債は利息がなく、借入コストを抑えながら資金調達が可能となる。償還時には額面金額で返済されるため、実質的な負債コストを最小限に抑える戦略となっている。

社債の詳細と資金使途

今回の社債発行は、メタプラネットにとって20回目の普通社債発行となる。発行額は80億円(約5000万ドル)で、発行先はケイマン諸島に拠点を置く投資ファンド「EVO FUND」だ。同ファンドはEvolution Financial Groupと関連があり、これまでにも同社の資金調達に複数回参加している。

社債の条件として、EVO FUNDは5営業日前の通知で早期償還を請求できる権利を有している。また、メタプラネット側も同一の相手先とのさらなる資金調達が完了した場合、発行額の一部または全額を償還するオプションを保持している。

ビットコイン保有戦略と目標

現在のビットコイン価格(約78,000ドル)を基に試算すると、今回の資金調達により約640~700BTCの追加購入が可能となる。同社は現在、40,177BTCを保有しており、時価総額は約3.1兆円に達する。これにより、メタプラネットは日本企業として最大のビットコイン保有企業となり、上場企業の中でも3番目に大きな保有量を誇る。

同社は2026年末までに10万BTC、2027年末までに21万BTCの保有を目標としており、直近の第1四半期には5,075BTCを追加購入した。また、ビットコインの保有による利回り(BTC Yield)は2.8%を記録した。

財務状況とリスク要因

メタプラネットは2025年度に950億円の純損失を計上したが、その主な要因はビットコイン価格の下落による未実現損失だった。同社のビットコイン平均取得単価は104,106ドルで、現在の市場価格を上回っている。

同社の戦略は、米国の上場企業「ストラテジー」に見られるような、資本市場を活用してビットコインを treasury reserve asset(財務上の準備資産)として積み上げるモデルを踏襲している。ストラテジーは先週、約25億4000万ドルを投じて34,164BTCを購入し、保有量を81万5,061BTCに拡大した。これにより、ストラテジーはブラックロックを上回るビットコイン保有量を誇り、累計投資額は約615億6000万ドルに達した。ただし、同社の株式は事前取引で下落し、積極的な資本戦略に対する投資家の懸念が示された。

メタプラネットの今後の展望

メタプラネットは、無利子社債を活用した資金調達を通じて、ビットコイン保有の拡大を加速させる方針だ。同社の目標である21万BTCの保有に向け、今後も積極的な購入が続く見通しだ。しかし、ビットコイン価格の変動リスクや、高い平均取得単価による損失リスクなど、財務面での不確実性も依然として残る。