米国国土安全保障省(DHS)は、新たなウェブサイト「HSTF.gov」を公開した。同サイトは、都市部に展開するタスクフォースを紹介するものだが、そのデザインはまるでスタートアップのピッチデッキのようだ。「交渉はしない。解体する」というスローガンが表示され、フォントやビジュアルはAI駆動のリース管理プラットフォームや消臭スプレーの広告を彷彿とさせる。

サイトのトップページには、防毒マスクを着用した武装した警官たちが催涙ガスの渦の中を隊列を組んで進む、AIで生成されたと思われる画像が大きく掲載されている。しかし、同サイトでは移民・関税執行局(ICE)や強制送還、移民政策について一切触れられていない。代わりに、外国の犯罪組織、麻薬密輸、人身売買ネットワークとの戦いを強調している。

だが、このタスクフォースが実際に行っている活動は、ミネアポリス、メンフィス、ロサンゼルスなどで多くの人々を拉致・拘束してきた多機関合同タスクフォースと密接に関連している。HSTF.govのサイトだけを見ればそのつながりはわからないが、FBIの公式サイトには、DHSが「大統領令14159に基づき、国土安全保障タスクフォースを結成した」と明記されている。この大統領令は、ドナルド・トランプ前大統領が就任直後に署名した「米国国民を侵略から守る」と題されたもので、大量の移民を強制送還・拘禁・排除する計画を明確に示している。

HSTF.govは、同タスクフォースを「52州・準州すべてに展開する永続的な機関間法執行タスクフォースで、犯罪組織(カルテル、人身売買ネットワーク、外国テロ組織)と戦う」と説明している。しかし、トランプ大統領令に記載されたタスクフォースの目的のうち、「米国の移民法を忠実に執行するために利用可能なすべての法執行ツールを使用する」という重要な一節は省略されている。

タスクフォースの「クリエイター」たち

このウェブサイトの制作に関わった人物は、いずれも注目を集める顔ぶれだ。ジョー・ゲビアは、国土安全保障省の新たな「国家デザインスタジオ」の責任者で、Airbnbとテスラの取締役を務める億万長者。元DOGE(暗号資産)関係者でもある。ネイト・ブラウンはクリエイティブディレクターで、かつてカニエ・ウェストと仕事をしていた経歴を持ち、現在は政府プロジェクトに参画。エドワード・コリスタイン(DOGE時代のニックネーム「ビッグボールス」で知られる20代)は、エンジニアリングリードを務めている。

コリスタインは先月、極右インフルエンサーのニック・シャーリーとのインタビューで、自身のミッションを「米国人の成長と資本主義への信頼を促進すること」と語った。「毎日14時間働き、AIをフル活用している。AIは日常的に使っているツールの一つだ」と話し、このプロジェクトが「米国の成長を支援する」と主張した。

こうして生まれたウェブサイトは、8,500人ものDHS捜査官・分析官が「あなたの街にやってくる」と謳っている。主な目標として「子供を巻き込む越境密輸・密売ネットワークの解体」を掲げているが、実際には国境から離れた都市で子供を含む多くの人々が拘束され、拘留センターに収容されているのが現状だ。

昨年、国家デザインスタジオが初めて発表された際、グラフィックデザイナーのポーラ・シェルは、そのビジュアルが「政府のメッセージを伝えるための新しい手法」と評価していた。しかし、今回のウェブサイトは、移民排除という政治的目的を、スタイリッシュな見た目で覆い隠す試みとして批判を浴びそうだ。