ミシシッピ州ジャクソン発——民主党がミシシッピ州の上院選で勝利する可能性は低いと見られている。同州は2020年の大統領選でトランプ前大統領が23ポイント差で勝利した保守層の強い州であり、民主党の議席奪還は現実味に乏しいとされてきた。
しかし、民主党関係者の間では、この選挙区で民主党が勝利する可能性がこれまで以上に高まっているとの声が上がっている。その背景には、民主党候補のスコット・コロムの存在、黒人有権者の動員、そして共和党現職議員の弱体化があるという。
民主党の重鎮で、ミシシッピ州ガルフコーストに住むジェームズ・キャルヴァーは「特殊な状況下であれば、勝利の可能性はゼロではない」と語った。十分な根拠が集まったことで、同選挙区への注目が高まっている。
民主党候補者:スコット・コロムのプロフィール
コロムは43歳の司法長官で、地元ミシシッピ州立大学のスポーツファンとしても知られ、二人の幼い娘の父親でもある。政治一家に育ち、母親は判事、父親は1980年代に共和党から出馬した経歴を持つ。2022年にはバイデン大統領から連邦判事に指名されたが、当時の上院議員シンディ・ハイド=スミスによって承認が阻止された。現在はそのハイド=スミス議員に挑戦する立場にある。
コロムは選挙戦で「復讐のために出馬したのではない」と語る一方で、ハイド=スミス議員の存在が出馬のきっかけになったとも明かした。民主党関係者は、ハイド=スミス議員が「州内で最も脆弱な候補者」であり、同議員が議席を維持できないとの見方を示す。
共和党現職議員の弱点
ハイド=スミス議員は2018年にセシル・コクラン議員の後任として上院議員に就任したが、選挙区の住民との対話をほとんど行わず、地元イベントへの参加も稀だ。米国で最も貧しい州の一つであるミシシッピ州では、コロムは「住民が求めるのは、実績のある議員だ」と主張する。これは、現職議員を破るための選挙戦でよく聞かれるフレーズだが、コロムの場合は特に地元密着型のアプローチが特徴だ。
コロムは選挙戦で、地元の有権者との直接対話を重視し、ピックルボールやフットボールなどの地元スポーツへの関心を通じて支持を集めている。選挙事務所のオープニングパーティーでは、支持者との交流を深め、地元メディアからも注目を集めた。
民主党は、黒人有権者の動員を強化しており、コロムの選挙戦はその象徴的な存在となっている。ミシシッピ州の有権者構成では、黒人有権者が選挙結果に大きな影響を与える可能性が高く、民主党にとっては追い風となる要因だ。
今後の選挙戦の行方は、コロムの選挙戦術とハイド=スミス議員の対応にかかっている。民主党は、ミシシッピ州での議席奪還に向けて、本格的な選挙戦を展開する構えだ。