民主党議員40人がイスラエル軍事売却阻止決議に賛成
米国の民主党議員の間で、イスラエルへの支持が急速に低下している。上院議員47人のうち40人が、イスラエルへの軍事売却を阻止する決議に賛成した。これは従来の類似案件をはるかに上回る反対票であり、党内の親イスラエル派議員が減少していることを示す象徴的な出来事となった。
党内分裂が鮮明化
この決議は、民主党内におけるイスラエルへの対応を巡る分裂を浮き彫りにした。親イスラエル派の議員らは「衝撃的で失望した」とのコメントを寄せている。また、ニュージャージー州第11選挙区の補欠選挙では、イスラエルを強く批判する左派のアナリリア・メヒアが当選したが、ユダヤ人居住地であるリビングストンやミルバーンでは、民主党支持が大幅に減少した。
「イスラエル支持者にとって衝撃的な事態だ。長年、イスラエルは超党派の支持を得てきたが、今やその基盤が揺らいでいる。今後どこまで進むのか、見通しが立たない」
民主党関係者(ユダヤ人支援活動に長年関与)
有権者の意識変化が議員行動に影響
民主党議員の行動変化の背景には、有権者の意識変化がある。ピュー研究所の調査によると、2022年には民主党支持者の53%がイスラエルを好ましく思っていなかったが、2024年現在では80%がイスラエルを好ましく思っていないと回答。特に、2023年10月7日のハマスによる攻撃に対するイスラエルのガザ地区への報復措置や、今年のトランプ大統領によるイスラエルとの「イラン戦争」の開始が、イスラエルの評判を大きく損ねた。
議員行動の変化:中道州出身議員も反イスラエル票に
議員の行動変化は、伝統的なリベラル層に限らず、中道州出身の議員にも見られる。軍事売却阻止決議に賛成した議員には、アリゾナ州のマーク・ケリー、ルーベン・ガジェゴ、ジョージア州のジョン・オソフ、ミシガン州のエリッサ・スロットキンなど、大統領選挙を目指す可能性のある議員も含まれていた。
党幹部の反応は慎重
一方で、民主党の幹部や主要組織(民主党全国委員会、下院・上院指導部、党資金調達委員会)の反応は慎重だ。上院少数党院内総務のチャック・シューマー議員は、軍事売却を承認したが、イラン戦争やネタニヤフ首相の政策を批判している。
今後の行方:イスラエルは米国との関係見直しの岐路に
民主党内のイスラエル支持の低下は、単なる一時的な修正ではなく、イスラエルが将来の米国政権で米国の影響圏から完全に外れるリスクをはらんでいる。民主党内の各陣営の関係者は、現在のトレンドがどこまで進むのか、またイスラエルが米国との関係を維持できるのか、見通しが立っていない状況だ。