米CPIが3.8%上昇、ビットコインは再び利下げ先送りの逆風に

米労働省労働統計局(BLS)が5月12日に発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年比で3.8%上昇し、市場予想の3.7%を上回った。これは2024年1月以来の高水準で、暗号資産市場に再び逆風が吹いている。

特に注目されたのは、食料とエネルギーを除くコアCPIが前年比2.8%、前月比0.4%上昇したことだ。米国債利回りはこれに反応し、2年物が3bp上昇して3.98%、10年物は4bp上昇して4.45%となった。米ドル指数も0.3%上昇し98.29を記録し、主要米株価指数は下落した。

ビットコインにとっての悪材料が再び浮上

これらの反応は、ビットコインにとって悪材料となる。米国債利回りの上昇は、安全資産としての米国債の魅力を高め、リスク資産への投資意欲を抑制する。米ドルの強含みは、ドル建て流動性のグローバルな引き締めにつながり、暗号資産を含むリスク資産への圧力を強める。さらに、利下げの遅れは、暗号資産市場にとって重要な追い風となるはずだった政策金利の緩和が遠のくことを意味する。

4月29日の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利据え置き発表後、バンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックスはそれぞれ利下げ開始時期の見通しを後ろ倒しにした。市場は現在、FRBの政策金利が年末まで据え置かれると織り込んでいる。

エネルギー価格の高騰がCPIを押し上げ

4月のCPI上昇の主な要因はエネルギー価格の高騰で、全体の上昇幅の40%以上を占めた。ガソリン価格は前年比28.4%上昇し、住居費(前月比0.6%上昇)、家賃(同0.5%上昇)、航空運賃(同2.8%上昇)も物価上昇に寄与した。BLSはまた、政府機関閉鎖に伴う一時的な家賃調整がコアCPIを一時的に押し上げたことを指摘した。

これらの要因を総合すると、市場は「一時的な物価上昇」との見方を否定せざるを得ない状況だ。債券市場はこれを受けて利回りを引き上げ、ビットコインを含むリスク資産への圧力が強まっている。

今後の展開:一時的な上昇か、コアの再加速か

もし市場が4月の物価上昇を「一時的な燃料費の通過」と捉えるならば、暗号資産固有の需要や政策面での追い風が再び注目される可能性がある。しかし、住居費や家賃、航空運賃の動きが「コアの再加速」と解釈されるならば、利下げ観測の後退がさらに進み、ビットコインの流動性環境は悪化するだろう。

フィデリティは、ビットコインとグローバルなM2マネーサプライ成長との間に強い歴史的関係があることを指摘している。M2成長が鈍化する中、ビットコインのパフォーマンスにも影響が出る可能性がある。

市場への影響:短期的にはビットコインにとって逆風

  • 米国債利回りの上昇:安全資産への資金シフトが進み、リスク資産への投資が抑制される。
  • 米ドルの強含み:ドル建て流動性の引き締めがグローバルに広がり、暗号資産市場にも影響。
  • 利下げ観測の後退:FRBの政策金利据え置きが続けば、暗号資産市場の追い風が弱まる。

「4月のCPIは、市場がすでに織り込んでいたシナリオを確認するものだった。しかし、その内容は暗号資産市場にとっては明らかに悪材料だ。」
——暗号資産アナリスト