米国とイランの関係が再び緊迫化している。米国のドナルド・トランプ大統領は先週、イランが米国の要求を全面的に受け入れたと発言し、交渉が順調に進んでいるとの見方を示した。一方で、イランはホルムズ海峡の再封鎖を発表し、通行船舶に対して攻撃を加えた。米国もイランの港湾を部分的に封鎖し、日曜日にはイラン船舶を拿捕した。

今週末には米国のJD・バンス副大統領がパキスタンを訪問し、更なる交渉を進める予定だが、イラン側の交渉団が参加するかは不透明だ。米国とイランは、互いに「屈辱的な妥協」と見なされる合意を避けるため、現状維持を選択する可能性が高い。しかし、ホルムズ海峡の封鎖が続く中、双方にとってのコストは日増しに高まっている。

この新たな局面における最大の違いは、戦争終結の決定権がイラン側にある点だ。米国は戦争終結を望むものの、具体的な方法を見出せていない。イランは終結手段を有するが、実行する意思があるかは不明確だ。

交渉の焦点は核開発とホルムズ海峡の支配権

戦争前、米国はイランに対し、核開発の完全放棄と、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派などの支援停止、弾道ミサイルの制限を求めていた。しかし、現在の交渉では、核開発とホルムズ海峡の支配権が主な焦点となっている。イランの核開発は、むしろ標的を招く結果となり、国の安全保障に寄与していないことが明らかになっている。

戦争開始前から、イランは核開発における大幅な譲歩を検討していたと報じられており、400キログラムの高濃縮ウラン在庫を希釈する案も浮上していた。しかし、現在の状況下で、これらの譲歩が和平につながるかは不透明だ。

「痛みの競争」が続く現状

米国とイスラエルによる爆撃作戦の期間中と同様に、現在の状況は「どちらがより長く痛みに耐えられるか」という競争に近い。米国は経済的・軍事的圧力を強める一方で、イランはホルムズ海峡の封鎖を通じて報復を続けている。双方が現状維持を選択すれば、地域の不安定化はさらに長期化する可能性が高い。

「現状は、戦争でもない平和でもない。しかし、双方にとって最も望ましい選択肢かもしれない。だが、そのコストは日に日に増大している。」

今後、米国とイランが合意に至るのか、それとも新たな戦争へと突入するのか。その行方が注目される。

出典: Vox